丹東から出国できるのは北朝鮮と韓国のみ

丹東から出国できるのは北朝鮮と韓国のみ

アメリカの入国審査は元々厳しい(ハーツフィールド・ジャクソン・アトランタ国際空港)

北朝鮮渡航者を米政府ESTA対象者から除外 北朝鮮入国印はパスポート上に残らないの続き。

 多くの国への航空便がある北京だと分かりづらいが、中朝国境の丹東だと出国できる国が、北朝鮮(国際列車)か韓国(国際フェリー)の2か国と限定されてしまう。日本人であれば韓国の入国スタンプは必ず残るので、消去法的に北朝鮮へ渡航したと特定されてしまうわけだ。

 しかし、ここで疑問となるが、アメリカの入国審査官はどうやって北朝鮮へ渡航したことを確認するかということだ。

 元々アメリカのイミグレーションは厳しく、時間がかかることで有名だ。都市による差は大きいが、厳しい空港では、旅客機到着後、入国審査を終えるだけで1時間はかかることも日常茶飯事だ。

 入国目的、滞在日数、宿泊先のホテルなどを審査対象者の英語力無視でガンガン質問攻めしてくることでも知られる。

世界屈指の米諜報力を駆使?

 じっくりと中国の入出国印を観察し、空白期間を探し出すことができれば、「北朝鮮へ渡航したのか?」と尋ねることもできるだろうが、パスポートが色々な国の入出国印で埋め尽くされている人だと宝探し状態になるのではないだろうか。

 または、「申告させるのか?」などとも「ツイッター」などでツイートされているが、まさか自分から「北朝鮮へ行ったことがある」なんて、わざわざ申告する人はいないだろう。

 それとも、世界屈指のアメリカの諜報力で、日本政府も把握できていないだろう、個々の訪朝履歴を把握しているのだろうか。だとしたら驚愕の一言に尽きるが、訪朝歴がある人が、ESTA申請してみれば分かるような気がする。

米朝首脳関係は良好だがアメリカ人の訪朝は事実上禁止のまま

 北朝鮮旅行を手配する旅行会社へ、「北朝鮮へ滞在してアメリカへ行けるのか?」という質問がよくあるそうだ。これまでは、問題なく、「アメリカへ入国できます」と答えていたが、その回答も変わってしまいそうだ。

 それにしても、どうしてこのタイミングでの発表なのであろうか。トランプ大統領と金正恩委員長の個人的な関係は良好だと度々アピールしつつも米朝関係自体は、バチバチやりやっているし、2017年9月1日から事実上、アメリカ人の訪朝禁止処置も解除されていない。 

 ちなみに、現状、日本人だと該当者はいないが、北朝鮮のビジネスビザを取得した場合は、1ページ分のキラッキラの北朝鮮ビジネスビザがパスポートへはられ、北朝鮮の出入国スタンプもパスポート上に押される。当然ながら、この場合はすぐに渡航歴がバレる。

 また、北朝鮮へ渡航してパスポート上へ空白期間が残ったとしても、パスポート自体を有効期限前に更新してしまえば分からないと思うが、果たしてどうなのだろうか。アメリカ本土へは行かないという人もハワイやグアムへは行くという日本人は多いだろうから今後の動向が気になるところだ。

日本→マカオ→北朝鮮なら1つの入出国スタンプなしも

日本→マカオ→北朝鮮なら1つの入出国スタンプなしも

重要なお知らせへ追加されたESTA申請についての説明サイト 出典 ESTA(エスタ)申請

日本→マカオ→北朝鮮なら1つの入出国スタンプなしも

 今回のネット民をざわつかせる北朝鮮入国経験者を米ESTA対象外にする問題について、シンプルにするため経由地を中国で説明しているが、北朝鮮へ行くルートは他にも存在する。

 定期便があるウラジオストク(ロシア)、現在、チャーター便が飛んでいるマカオ、かつて直行便扱いのフライトがあり、この数年間でもチャーター便が飛んだことがあるバンコク(タイ)などもある。

 特にマカオだと、2013年7月10日から入出境スタンプを廃止しているため日本(自動化ゲートや顔認証ゲート利用)→マカオ→北朝鮮のルートで訪朝するとパスポート上には痕跡がまったく残らないことになる。
 
 しかし、実はパスポートに埋め込まれれているICチップへ全渡航履歴が記録されていて、それをアメリカのイミグレが読み取るのではないかという憶測も出ているなど情報が錯綜している。

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