日本人166万人より多い180万人の韓国人が訪タイ

日本人166万人より多い180万人の韓国人が訪タイ

シーチャン島で見かけたアジア系外国人は韓国人が圧倒的に多い印象だった

 東南アジアでも屈指の観光国タイを訪れるアジア系外国人は中国、マレーシア、韓国、ラオス、日本の順に多い。タイ・スポーツ観光省が発表している2018年度の訪タイ者数は、中国から1000万人超、日本からはおよそ166万人だった。韓国からの訪タイ者は同年で約180万人となった。

 タイ国内で日本人を各所で見かけるが、韓国人もよく見かける。旅行スタイルが日本人に似ているのか、観光ガイドブックを片手に歩いているなど、商業施設や電車内だけでなく、辺鄙な観光地でも韓国人がいる。

人数は同数だが韓国人は郊外へ足を運ぶ

 むしろ最近は、韓国人の方がタイ旅行を満喫しているような印象で、日本人で郊外に行く人はかなり減ってきたのではないか。訪タイ者数としては先の約166万人というのは日本人の過去最高人数で、タイ入国者数が減っているわけではない。それでも日本人を見かけるエリアが限定的になってきている印象を受ける。

 たとえば、タイ東部のシーラチャーという街は大きな港や複数の工業団地が近いため、日系製造業の駐在員がたくさん暮らしている。市街地はバンコク以外でもっとも日本人人口密度が高いと言えるが、一方でその街から船で渡れるタイ人のリゾート島シーチャン島では日本人をあまり見かけず、韓国人観光客が外国人の中でもっとも多いように見えた。

保守的な日本人?積極的な韓国人?若者の元気は韓国人が上なのか

保守的な日本人?積極的な韓国人?若者の元気は韓国人が上なのか

バンコクのルンピニ公園周囲に深夜売春婦が立つが、話しかけている外国人は韓国人ばかり

 ナイトエンターテインメントの世界を見ても、バーなどでアジア系の外国人を見るとほとんどが韓国人だ。日本人もいるにはいるが20代と見られる若い人はほとんどおらず、アジア系の若者はだいたい韓国人という印象を受ける。

 そういった様子を見ると、韓国人の方が元気なのではないかと思えてくる。韓国人は裏通りでもどこにでも入っていくが、日本人の旅行者は安全な表しか歩かないというイメージだ。

 ただ、それだけを持ってして「日本人が元気ではない」というわけではない。

 バンコクは1990年代、航空券が世界的に見て安い場所とされた。そのため、低予算旅行者、バックパッカーが大挙して訪れていた。その際、そんな旅行者の聖地とまで呼ばれたカオサン通りなどが有名になっている。その直前には日本のテレビ番組においてヒッチハイクでユーラシア大陸を横断する様子が放送され、日本人バックパッカーも急増し、カオサン通りは、一時期、日本人だらけという状態になった。

かつての日本人のトレンドを遅れて追いかける韓国人。ビジネスチャンスも

 しかし、その後、ネットで航空券が安く買えるようになったこと、タイのリピーターが増えてカオサン通りが都心から遠いことが分かってくると、日本人バックパッカーは、カオサンから離れてしまう。そこに入れ替わるように増えたのが韓国人バックパッカーだった。

 このように、どちらかというと韓国人のタイにおけるトレンドは日本人よりやや遅い傾向があるように見受けられる。日本人は、2000年代初頭からタイ人気が高まり、ガイドブックには載っていない場所や店に行くことに誰もが執着した時期があった。それらがだいぶ落ち着いて、現在はどちらかというと日本人観光客は王道を求める。そして今、以前日本人が夢中になっていたように、韓国人がタイの裏側に興味を持って歩き回っているのではないか。

 そう考えると、日本人がネットなどで蓄積してきたタイの裏ネタを使うことで、韓国人観光客を誘致できそうな気がしてくる。日本人よりも多くの観光客が集まるので、ビジネスチャンスがありそうだ。


【海外心霊】タイの恐い怪談・心霊スポットを高田胤臣さんがご紹介!

 タイの心霊スポットツアーが日本人の間で人気になったら追いかけるように数年遅れで韓国人にも人気になるかもしれない。
 

高田 胤臣
タイ在住ライター。2002年から現在にいたるまでバンコクで過ごしている。『バンコク 裏の歩き方【2019-20年度版】』(共書)、『バンコクアソビ』、『ベトナム裏の歩き方』、近著『亜細亜熱帯怪談』(監修)丸山ゴンザレス
@NatureNENEAM

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