結局は遠い国の話?

結局は遠い国の話?

巨大商業施設でも韓国製品はよく目にする

 ここのところ、日本と韓国の関係性が悪化しているようで、タイ在住の筆者も毎日ネット上でニュースを見ているところだ。ただ、おそらく海外住みの筆者と日本にいる人たちとは、この件に関する感情には温度差があると思う。というのは、タイ国内において、日本と韓国の関係悪化に関するタイ語ニュースは、当然ながら他人事でしかなく、内容に関する熱量もかなり冷めているようなものだからだ。むしろ、タイは政情不安が続いており、それどころではないという事情もあるかもしれないが。

 テレビやネットでも、タイ人向けに日本政府が韓国のホワイト国除外を決定したニュースは流れている。中には経済戦争が勃発していると煽ったタイトルもあれば、日本と韓国の昔からの関係を改めて紹介している記事など様々だ。ただ、少なくともニュースサイトにおける記事では、どれも読者の反応は極めて薄いように見受けられる。コメントが入っている記事はほとんど見られず、また多くのサイトがSNSに直結するボタンを用意しているものの、クリックもあまりされていないようだ。

韓国人のほうが日本人より多くタイを訪れる

 タイ人にとって、日本と韓国は、ほぼ同じような国という認識がある。ビジネスなどで関わっている、旅行に行った、韓流芸能が好き、という人を除けば、見た目も言葉も同じようなものでしかない。むしろ、近年はタイ人から国籍を聞かれるときに「韓国人ですか?」と言われることの方が多くなっている。

 これは、タイ国内での韓国の台頭があるからだろう。タイ観光・スポーツ省が発表する統計では、2018年の日本人観光客数が過去最高の約166万人に達した。一方、韓国も2006年ごろから訪タイ者数が増加し、2018年度はおよそ180万人がタイに来ている。日本よりも多いのである。

企業は韓国、人は日本

企業は韓国、人は日本

1949年日本製の蒸気機関車。タイ国鉄は気動車や客車に韓国製を使っている路線もある

 この人数には短期出張者も含まれており、タイにはたくさんの韓国企業が進出していることから、韓国国籍者の入国者数が増えたと見られる。実際、タイ国内においてはスマートフォンだと「サムスン」がよく売れているし、家電も「LG」などが台頭する。自動車業界でも韓国メーカーの車は少なくない。また、10年前ほどではないにしても、K-POPや韓流ドラマなどの人気は今も高い。

 かつて、家電も車も、タイ人からの人気は日本メーカーのみであった。高いけれども品質がいいと、憧れですらあった。支払い能力が高くない世帯は仕方なく中国や韓国のメーカーのものを買うというのが普通だったが、今や、特に家電関連なら韓国メーカーの方がデザインも品質もよく、かつ安価であることには変わりなく人気がある。残念ながら、かつて東南アジアにあった日本人や日本国に対する神話的な感情はもう跡形もないのだ。

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