遼寧省が鴨緑江で対策訓練実施

遼寧省が鴨緑江で対策訓練実施

ゼロメートル地帯が広がる鴨緑江流域

 中国中部で連日続く大雨による洪水被害が続いている。中朝国境の丹東がある遼寧省でも今年は降水量が多く洪水の懸念が出始めている。

 『遼寧日報』は7月10日午後に遼寧省が鴨緑江で洪水対策訓練を実施したと報じた。訓練は、丹東駅や中朝友誼橋より北に位置する鴨緑江へ流れ込む愛河との合流時点で行われた。

 丹東の今年7、8月は、例年に比べ20、30パーセントほど多い降水量が予想されており洪水のリスクがあるとのことだ。丹東の年間降水量は950から1100ミリメートルで、遼寧省の中でも雨が多い地域となる。今年の丹東は6月中旬の時点ですでに例年比25パーセントほど降水量が多い。

1995年と2010年に大規模洪水が発生。丹東も新義州も浸水被害

 訓練では、鴨緑江上流にある水豊ダムや雲峰ダムなど4つのダム湖の貯水状況のモニタリング強化と緊急放水のプロセスなども確認された。鴨緑江流域の住民へは警報スピーカーを使って警告や避難を呼びかけるとのこと。

 また緊急救助訓練では、ドローンや水中無人偵察機などのハイテク機器を使い空、水中を捜索する救助活動訓練なども披露した。さらにドローンを使ってダムの決壊状況なども逐一確認することで迅速な避難指示を出すことができると報じた。

 鴨緑江は、かつて頻繁に洪水を起こしていた暴れ川だったが1944年の水豊ダム竣工により鴨緑江の水量コントロールが可能となり、水量は減り、洪水頻度も下げることに成功したとされる。

 それでも、鴨緑江では、1995年と2010年に大規模な洪水が起きている。いずれも丹東と新義州の両岸で大きな被害を出している。特に95年の洪水では、新義州市街は越水被害を受け広く浸水したと言われる。

2000km離れた三峡ダム不安が丹東へ伝播か?

 丹東では、鴨緑江にそって複数のコンクリートの壁と水門が確認できる。住宅街を守るために設けられたものだ。当時の浸水水位を示すプレートも確認でき、それによると、2010年よりも95年の洪水のほうが水位が高かったとが記録されている。

 現在、中国では世界最大のダムと呼ばれる三峡ダムが状況が話題となっている。国営の「中国中央テレビ(CCTV)」では、専門家が登場しダム構造や建設に用いられたコンクリートなどを解説し、決壊する可能性は低いと安全性を繰り返しアピールしている。

 今回の鴨緑江での訓練でダムの話が登場するのは、三峡ダムから丹東は直線距離で2000キロメートルほど離れ、気候もまったく異なるため関心もなさそうに思われるくらい遠い。にもかかわらず、丹東や遼寧省の中国人たちが水豊ダムなどの状況を心配していることを示している。

 丹東上流の寛甸満族自治県は19日の日曜日から来週半ばまで雨が続く予報が出されている。


 水域白表示と航空写真を見比べてほしい。鴨緑江は度重なる洪水で多くの中洲が形成されており鴨緑江の川幅は狭いことが分かる。

参考サイト
中国丹東の堤防ゲート

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