経済分野を「正面突破戦」の基本戦線と位置付け

 ただし、北朝鮮としても米国がすぐに行動を取るとは考えてはいない。

 「朝米間のこう着状態は不可避に長期性を帯びる」という見通しを示した上で、「今後も敵対勢力の制裁の中で生きていかなければならない」という認識を示した。さらに、制裁に打ち勝つための「正面突破戦」の基本戦線は経済分野にあると位置付けた上で、制裁に打ち勝つためには「自力更生」が必要であるとともに、経済活動における「国家の統一的指導と管理」の強化を強調した。

 2019年の活動について、国連制裁という制約がある中で三池淵市再開発や「陽徳温泉文化休養地」の建設といった成果があったことを伝えた。

 一方、「経済建設10大展望目標」(1980年10月の第6回党大会などで提唱された鉄鋼、非鉄金など10項目における目標)について触れたものの、今年が最終年度に設定されている「国家経済発展5か年戦略」について言及がなかった。このことから、昨年の経済分野における成果では不十分であったという認識があるのかもしれない。

 その他、注目すべきは、金正恩委員長が、「かつての過渡的かつ臨時的な事業方式を踏襲する必要がない」とし、現在の社会主義商業を見直すことに言及したことである。これは、現在、国内で浸透した市場経済などの資本主義的経済システムを見直すことを示唆したものと考えられる。

大幅な幹部人事を断行で複数の党幹部が交代か?金与正氏がキーパーソン

 議題2の組織人事では、党中央委員会政治局委員3人、党政治局候補委員6人、党副委員長4人などが補選、任命されるなど、党幹部の交代が相次いだ。

 解任人事は公表されなかったが、会議後に金正恩委員長が党中央指導機関構成員と記念撮影した写真に、李洙ヨン氏(リ・スヨン、党副委員長)、朴光浩氏(パク・グァンホ、党副委員長)、太鐘守氏(テ・ジョンス、党副委員長)、李容浩氏(リ・ヨンホ、外務大臣)ら幹部の姿が確認されなかったことから、今回の会議で解任された可能性がある。米朝交渉に携わった者も含まれている。

 特に党の国際担当であり、2018年6月の米朝会談にも出席した李洙ヨン氏が解任されたのであれば、その後任はどうなるのだろうか。そこで気になるのは、今回、党中央委員会政治局委員候補に補選された金衡俊氏である。金衡俊氏は、2000年より駐レバノン大使や駐カタール大使などを歴任し、2005年には外務次官に就任、2014年からは駐ロシア大使を務めている。その経歴から、李洙ヨン氏の後任として党の国際担当を務めることになった可能性がある。

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