分断・戦争・反共・脱北者から共存共栄・一般の人々へと映画題材の変遷。コリアン・シネマを通じて見る北朝鮮

 李香鎮教授は、映画などの大衆文化を通じて韓国・北朝鮮社会を多角的に分析する研究に取り組む、コリアン映画研究の第一人者である。

 「北朝鮮を題材にしている映画は多いが、朝鮮半島の平和的共存が可能かどうか映画を通して考察したい。60年代の韓国映画では、分断・戦争をテーマにしたものが多かった。60年代半ばに入ると、政府の検閲が厳しくなり、北朝鮮を題材にした映画の人気と作品性は落ち、韓国政府の北朝鮮観を表している映画しか見られなくなった。当時の北朝鮮のイメージは、忘れられない故郷であり家族というものであった。その後は、政府主導の反共映画が多く作られるようになった。それらの映画中における北朝鮮は、愚かな兄として表現された。しかし、韓国の民主化以降、近年では、北朝鮮人役にアイドルスターが抜擢されるようになり、北朝鮮に対するイメージが変わってきた。また、2000年に入ると、分断だけでなく、脱北者をモチーフにする作品が登場してくる。このように、私たちが他の国に対して持っているイメージは、私たちが望むイメージである。そして、このイメージを作るのは、一般市民である。市民たちが平和を望むときは、現在の韓国映画が表現するような温かくハンサムな北朝鮮人像になる。これは、一緒に住みたい、話してみたいと思う人々がたくさんいるからである。今後の南北関係や朝鮮半島の平和的な共存の行方がどうなるか、私には分からないが、政治家だけでなくこれを望む一般市民の思いが大切である」と李教授は、講演「北朝鮮を観るシネマティック想像力」の中で語った。

「これはプロパガンダか?それとも現実か?」ワンダーランド北朝鮮は北朝鮮の「生」を感じられる映画

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ワンダーランド北朝鮮のフライヤー。6月30日から全国順次ロードショー

 私たちが普段、接する北朝鮮に関する情報では、北朝鮮の人々の暮らしはなかなか見ることができない。そのため、このような映像作品はとても貴重なものといえる。

 北朝鮮の人々の人間味あふれる生活や姿がありありと感じられる作品となっているので興味を持った方はぜひ劇場へ足を運び、北朝鮮に暮らす人々の本当の姿を自身で感じ取ってみて欲しい。


映画『ワンダーランド北朝鮮』予告編 2018.6.30公開!

配給 ユナイテッドピープル

立山達也

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