もてなすホスト任せの日本人

もてなすホスト任せの日本人

瀋陽の歓楽街にある韓国人向けクラブ(イメージ)

中国朝鮮族経営者が語る韓国人と日本人の金銭・信用・接待の認識違い(1/2)の続き。

 薛哲学さんは独立以来、数多くの日本人や韓国人を接待してきた。日本人は、空港で出迎えてホテルへ案内して、主目的たる視察や商談をして、夜はホスト(中国側=薛氏)一押しのレストランへ案内し会食する。まあ、よくある接待光景だと思われる。

 接待を受けるゲスト、この場合は日本人だが、訪問先や商談についての要望や条件は当然あるだろうが、一般的に宿泊先やレストランの指定などはホスト任せが多いのではないだろうか。
 
 接待するホストは、せっかく、我が街へ来てくれたので、快適なホテル、美味しいレストランを選び、少しでも瀋陽を楽しんでもらいたいと汗を流して準備しもてなす。それに対して、ゲストは、喜んだり、感謝するというのが一般的なゲストとホストの接待イメージといっていい。

自分から泊まりたいホテルや行きたいレストランを要求する韓国人

 薛さん曰く、これが韓国人だと、ホテルは、最高級5つ星ホテルの〇〇〇大酒店がいい。部屋はシティビューの高層階を用意してほしい。会食は、「趙紀清水至魂」 で食べたい(ご丁寧に「ホットペッパーグルメ」のような紹介URLをつけて)。同店は、ディナーで1人平均1500元(約2万3000円)を超える瀋陽でもっとも高級な日本料理店の1つとされ、大連や北京などでも店を構えている有名店。さらに食後は、韓国語が話せる女性と楽しめる韓国式カラオケ店へ行きたいなど自分たちから泊まりたいホテルや行きたいレストラン、食後の夜遊びまでリクエストしてくるそうだ。もちろん、韓国人の全員ではないと薛さんはフォローを入れつつ韓国人の接待は気分が悪くなることも多いとこぼす。

ルーツは同じ民族のはずの中国朝鮮族と韓国人なのに

ルーツは同じ民族のはずの中国朝鮮族と韓国人なのに

旧ソウル駅とともに東京駅の姉妹駅と呼ばれる瀋陽駅

 韓国人と中国朝鮮族は、100年ほど前まで遡ればルーツが同じ民族のはずだが、朝鮮族にはそのような“習慣”はないので、一体いつから変化したのか不思議だと薛さんは笑う。
 
 「韓国人はよく言えば積極的ですが、悪く言えば厚かましいといったところでしょうか。ある韓国人が言うには、せっかく中国まで来て自分たちが望まないものを手配されたり、連れていかれても我々も困るから、『相手のためを思い』希望をしっかりと伝えていると言っていました。まあ、逆に日本人は言葉や表情も含めて自己主張が少なすぎるので、準備した接待がよかったのか、それとも、悪かったかが分かりづらいですね」(薛哲学氏)

海外では1日本人の振る舞いが国全体のイメージとなることも

 もちろん日本企業も顧客との約束を誠実に守る会社ばかりではない。破産した旅行会社「てるみクラブ」や倒産が分かっているのに粉飾して新規注文を受け続け一生に1度の成人の日を台無しにした着物レンタル店の「はれのひ」など不誠実な詐欺企業のニュースも連日のように報じられる。

 特に海外や海外企業と取り引きをするときには、ちょっとした動作や振る舞い1つでもそれらが日本や日本人のイメージにも直結してしまうので、例え1私企業であっても自分たちが日本を代表しているという意識を持って行動するほうがいいのかもしれない。 

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