周辺国にとって新型コロナウイルス感染リスクにならない北朝鮮

周辺国にとって新型コロナウイルス感染リスクにならない北朝鮮

トロリーバスを待つ平壌市民(2020年1月撮影)

新型コロナウイルス感染者0人?新義州が都市封鎖? 噂が飛び交う北朝鮮だが周辺国は無関心(1/2)の続き。

 かつて国内の移動制限があった中国であるが、現在では、ほぼ撤廃され中国人はもちろん、日本人でも軍管理地以外は移動制限なく移動することはできる。そのため、現代中国人は、つい20数年ほど前までの移動の自由がなかった時代を忘れている人も少なくない。

 北朝鮮は、元来から移動を制限している国内「鎖国」状態であるため新義州の住民の出入りを完全停止することは決して特別なことではなく、むしろ容易なことだと言える。

 また現在、北朝鮮の周辺各国は、自国の新型コロナウイルス感染拡大防止で手一杯で北朝鮮へ関心を向ける余裕はない。アジア諸国やアメリカなど多くの国において日本や韓国での新型肺炎患者数の増加に敏感に反応するのは、日本人や韓国人がそれらの国々を多く訪れているため新型コロナウイルスが持ち込まれることを強く警戒しているからだ。

 しかし、元々自国民の出国を厳しいく限している北朝鮮は、周辺国への影響は皆無に等しいので、否が応でも北朝鮮の新型コロナウイルスの感染状況への関心は下がるのだ。

北朝鮮への帰国者・外国人へ徹底して目を光らせる

 仮に北朝鮮人がガンガン周辺国へ出入りしているのであれば、周辺各国が北朝鮮当局発表の新型コロナウイルスへの感染者数がいまだ0人であることに疑念を持ち厳格な検査をするように要請するのかもしれない。しかし、その必要もなく、関心を払っていないというのが現実であろう。

 北朝鮮としては、北朝鮮からの出国者が少ないため、帰国者と外国人の入国者のみへ集中して目を光らせればいいわけだ。

 2019年、中国人を除く外国人観光客はおおよそ5000人から6000人と推計され、中国人は15万人から20万人、羅先や新義州のようにビザなしで訪問してくる中国人も含めると年間30万人近くになっていると思われる。

感染者0人主張を貫くのは国際機関へ報告したくないから?

 北朝鮮は、1月22日に外国人観光客の入国を全面停止処置を実施していることは以前にもお伝えしているが、現在、日本で発症している患者は1月22日前に感染したと思われる症例も複数人出ており、年末から正月、成人の日あたりにかけて中国人訪日客から感染したとの専門家の見立もある。

 その状況からすると、入国停止をした1月22日前にすでに北朝鮮にも新型コロナウイルス保菌者が入国しており、北朝鮮国内でも新型肺炎発症者が出ていることは十分に予想できる。

 『労働新聞』では2月以降度々、新型コロナウイルスの感染者がいないことや数日前からは、韓国で感染者が激増していることを伝えて感染対策を呼びかけている。

 万が一、北朝鮮が感染者発生を認めたらWHOなど国際機関へ報告する必要あり、外部からの干渉を受けることになり、それを好まないことも北朝鮮が0人主張を貫く一因と言えそうだ。

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