緊急事態宣言で歌舞伎町の風俗店が臨時休業に

緊急事態宣言で歌舞伎町の風俗店が臨時休業に

人が消えた東京・歌舞伎町

 「人、減りましたよ。助けてくださいよ(困惑)」

 「そこの店、女の子の出勤が少なくて、いないんですよ。こっちの『A』というデリヘルなら行けますよ」

 「何が大丈夫なんですか? ちょっとだけ話を聞いてください(イライラ)」 

 4月14日(水)の午後3時過ぎ、新宿歌舞伎町ですれ違った客引きの声である。悲鳴からお助け、苛立ちと、今この街が置かれている特殊な状況が、彼らの声に見事に映し出されていた。

 新宿の繁華街から人の姿が激減している。特に歌舞伎町はひどい。一番街通り、セントラル通り、花道通りはもちろん、区役所通りまで見事に人がいない。まるで集団拉致されたようである。

 4月7日夜の緊急事態宣言の発令後、4月10日に東京都から発表された休業要請の対象施設の中に“風俗店”が含まれていた。このことが都内の風俗店に与えたダメージは計り知れない。歌舞伎町の老舗ヘルスの店頭はシャッターが下ろされ、「休業期間 2020年4月11日(土)より当面の間」と臨時休業を知らせる貼り紙が貼られていた。他のヘルスやソープも同様である。ピンサロやヘルスの中には一部営業を続けている店もあるが、客の気配はほとんどない。まさに“半分死んでしまった色街”と化している。

新大久保は韓流ブームが消滅。飲食店は営業時間短縮や休業に

新大久保は韓流ブームが消滅。飲食店は営業時間短縮や休業に

新大久保コリアンタウンでは営業自体を自粛するマッコリの物語

 少し足を伸ばして新大久保へ。韓流ブームであれほど賑わっていた街も、今は昔。恐ろしいほど空いている。韓国系のコスメ店や雑貨ショップでは、店頭にマスクが売られている。「数量限定 マスク50枚入り 3900円+税」、「マスク 3枚入り ¥700」、「花粉とウイルスから体を守る!マスク入荷しました!」。オシャレな韓流アイドルのポスターの周囲で、マスクが大量に売られている様子は、なんともアンバランスである。

 路地裏にある「マッコリの物語」、「カントンの思い出」などの韓国食堂は、そろって営業を自粛している。職安通り沿いにある屋台風のホットク(韓国版パンケーキ)屋は、営業時間を短縮している。大久保通り沿いの店は休業していた。高水準で続く新型コロナウイルスの感染拡大に、韓流ブームも吹き飛んでしまったのだ。

アジア系の雑貨店ではマスクが販売され飛ぶような売れ行き

アジア系の雑貨店ではマスクが販売され飛ぶような売れ行き

人気韓流グッズ店でも店頭にマスクが並ぶ

アジア系の雑貨店ではマスクが販売され飛ぶような売れ行き

 3月末からJR新大久保駅の周辺では、アジア系の雑貨店でマスクが売られている様子を目にすることが多くなった。まとめ買いしていく人々の姿を何度も目にした。

 韓流グッズの店では、かわいいイラスト付きでマスクを販売し始めた。10枚1100円のマスクを、大工さんような格好をした現場労働者がまとめて買っていく姿は迫力があった。そのうちに、ビジネスホテルの前にマスクの販売スペースが現れた。どこも人々が足を止めて、スマートフォンで知り合いに電話した後、購入している姿が見られた。みんな不安なのだろう。私も購入した。

 大久保通り沿いのアジア雑貨店で、“洗えるマスク”を3枚1100円で買ったのだ。今は、それを愛用しながら、日々現場取材に励んでいる。一刻も早く、コロナ騒動が終息するのを願いながら。

  • 歌舞伎町の老舗風俗店も軒並みシャッターが下ろされていた

  • K-POPアイドルとマスクの組み合わせ

  • 韓国コスメ店も輸入品のマスクだらけに

取材・文 イコマ師匠
『俺の旅』シリーズ編集長。徹底した現場取材をモットーとし、全国の歓楽街を完全踏破。足掛け15年間出版社に勤務した後、『俺の旅』の商標権を持って独立。現在はフリーの編集記者として活動中。書店売りのムック本、さまざまな雑誌•新聞•ウェブサイトの記事、自らのツイッターなどで『俺の旅』を継続している。1973年愛知県安城市生まれ。新潟大学人文学部卒業。
@ikomashisyo

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