最低賃金の引き上げ。2020年までに時給1万ウォン達成を政権公約に掲げる

最低賃金の引き上げ。2020年までに時給1万ウォン達成を政権公約に掲げる

文在寅大統領とトランプ大統領 出典 The White House Flickr(public domain)

最低賃金の引き上げ。2020年までに時給1万ウォン達成を政権公約に掲げる

 韓国の文在寅政権が発足後、実施している経済政策の中でも最低賃金引き上げが重要な政策として位置づけ、文政権は、2020年までに最低賃金を時給1万ウォン(約870円)にすることが目標に掲げられてきた。

 文大統領が就任してから始めに引き上げられたのは、2018年に適用される最低賃金であり、前年から16.4パーセント引き上げられた。そして続く2019年には、前年比で10.9パーセント引き上げられるなど2年間で6470ウォンから8350ウォン(約560円~730円)へと大幅に最低賃金が引き上げられた。しかし、2020年の最低賃金に関しては、前年比で2.9パーセント増の8590ウォン(約750円)に留まり、1988年に制度が開始されて以来3番目に低い伸び率となっている。

 そのため、2020年までに最低賃金を1万ウォンに引き上げるとした文在寅政権は、公約を達成できなかった。この結果を受けて、政権の支持団体である「韓国労働組合総連盟」は、2019年7月に論評を発表し、文在寅政権を批判している。

労働時間の短縮。週68時間から52時間へ

 文在寅政権では、残業の制限や総労働時間の削減のために、週52時間勤務制を導入し、1週間あたりの労働時間の上限を従来の68時間から52時間に大きく引き下げている。この政策は、長時間労働の解消やあらたな雇用の創出を目指すためのものだ。

 以前、韓国では、勤労時間は週40時間が原則で、週に最大28時間までの超過勤務が認められていた。しかし、2018年7月の改正勤労基準法施行により、週12時間を超える超過勤務が禁じられ、週の最大労働時間が52時間となった。

 適用を除外される業種は、水上や陸上、航空運送業など5種に限られているため、多くの労働者がこの制度の影響を受ける。現在、政府や公共機関、従業員数が300人以上の企業、従業員数が50人以上から300人未満の企業でこの制度が適用されており、従業員数が5人以上から50人未満の事業場は2021年7月から適用対象予定だ。

 違反した事業主には、2年以下の懲役または2000万ウォン(約1745万円)以下の罰金が科されるため、企業も対策に乗り出している。一方、労働者の意見はさまざまで、勤務時間の短縮を歓迎している労働者もいれば、逆に不満を訴える労働者も少なくない。

 従来の上限である68時間近くの勤務を行ってきた労働者にとっては、労働時間の短縮は手取り収入の減収に直結するからだ。そのため、従来からの韓国経済の課題である大企業と中小企業との賃金格差が広がることが懸念されている。

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