北朝鮮もウェイボーで言及

北朝鮮もウェイボーで言及

キャプション写真付き投稿でナイキのユーチューブ動画を伝えるNewDPRK

北朝鮮もウェイボーで言及

 先月末に公開された「ナイキ」のCMが賛否両論を巻き起こしている。この話題は中国や韓国へも飛び火している。

 中国のSNS「微博(ウェイボー)」で北朝鮮が運営に関与しているとみられるアカウント「NewDPRK」でも取り上げている。これで実質的に北朝鮮でも取り上げていることになる。

 CM内容についてはここでは深く言及しない。文末に該当動画をシェアしているので実際に見て判断いただきたい。

アメリカでの成功体験を日本へ持ち込んだ?

 1つ言えることは騒げば騒ぐほどナイキのブランド化戦略へ貢献しナイキの手のひらで転がされることになるということだ。

 ナイキは同様の人種差別をテーマにしたCMを2018年にアメリカで放映し日本でも大きな話題となった。このCMをトランプ大統領が名指しで非難したことで、ナイキの世界的な宣伝に一役買ってしまったわけだ。結果、株価は下落しアンチも増やしたが、いずれも一時的な現象で、ナイキが好き程度だったファンを熱狂的な見込み客へと昇華させて売上を伸ばすことに成功している。

 今回のナイキのCMはアメリカでの成功体験に味をしめて同じ手法を日本へ持ち込んだとみていい。いわば、評価を強烈に2分させ心理的な作用反作用の現象を誘発させることでCM効果を最大限に高めようという戦略が見てとれる。高度な炎上商法にも近いが、反発やクレームを極度に恐れる日本企業では決して採用されない戦略だろう。

日本批判で盛り上がる中国版ネトウヨ

 さて、KWTでは中国のSNSでどのような反応になっているのかお伝えしたい。

 ウェイボーのアカウントで国際ニュースなどを頻繁に扱うのは一見すると個人のように思えるものも多いが、世論誘導や喚起を目的とした官製色を帯びたものが少なくない。

 現時点で確認できる投稿では245コメントが最多となっている。この投稿内容は、「ユーチューブ」の動画内容を客観的に淡々と伝えているように読み取れる。色が入っているとすると、

 「CM公開当初は感動したと称賛するコメントであふれていたが、11月27日ごろからヤフーニュースを中心としたネトウヨたちが批判の声を上げだした…」と「ヤフー」という固有名詞を出している。
 
 「批判するネトウヨたちはナイキのCMが日本を貶めるものであるとしてナイキ製品の不買運動を呼びかけている」と結ぶ。

 書き込まれたコメントは、まさに“本家”ヤフーニュースのヤフコメの中国版のような状態で日本批判で埋め尽くされていて、日本を擁護、肯定、ナイキを批判するコメントは数えるほどしかない。

ナイキ製品を美化しすぎている

 さて、気になるのはNewDPRK。投稿内容を意訳してみると、

 ナイキは民族やその他の違いを理由に3人の女子生徒が日本の学校でいじめられ屈辱を受けたというCMを公開した。これに対して日本のネット民からは反発が起こり、ナイキ製品のボイコットを求める声を上げている。CMでは、3人のいじめられた子らがナイキ製品を身につけることで自信を取り戻し、学校生活に溶け込んでいくという内容で終わっている。しかし、正直、このCMは美化しすぎている。そもそも、どうしてナイキ製品を身につけることで人種差別を解決できるのだろうか

 と最後に米企業であるナイキへの皮肉を込めた疑問を投げかけることも忘れていない。

 今回のCMはサッカーを題材としている。ちなみに、サッカー北朝鮮代表のユニフォームは中国の大手スポーツ用品メーカー「361度」が提供していると言われる。

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