公式パートナー高麗ツアーズが平壌マラソン中止を発表

公式パートナー高麗ツアーズが平壌マラソン中止を発表

2020年大会の中止を伝える。 出典 Pyongyang Marathon

公式パートナー高麗ツアーズが平壌マラソン中止を発表

 毎年4月15日前の日曜日に開催れる春の平壌マラソン2020年大会が中止されることが公式パートナー「高麗ツアーズ」(中国北京)により21日、発表された。

 平壌マラソン、現在の正式名称は、「万景台賞国際マラソン」と呼ばれ、北朝鮮最大の祝日である太陽節(4月15日の金日成主席の生誕日)を祝うための大会として行われている。太陽節を祝うだけに同大会は、北朝鮮最大の外貨が稼げるスポーツイベントでもある。

 今年は第31回大会になるはずだったが新型コロナウイルスの影響で早々と大会中止が決まったようだ。

 この大会回数には謎があり、2017年大会が第30回だったはずだが、大会直前で密かに第28回へ変更されて、以降、重ねて今年は第31回大会とされていた。

 回数が減らされた理由は不明だが、参加ランナーの勲章である認定書などは手書きで31を28へと修正されていたので直前で変更が決まったと思われる。

IAAF認定大会。魅力は感動の競技場ゴール

 平壌マラソンへ外国人の一般ランナーが参加できるようになったのは、2014年大会からで、それから日本でも市民ランナーが参加できる海外マラソンの1つとして話題になるようになった。

 平壌マラソンへの外国人一般ランナー参加解禁は、金正恩委員長の時代になってからの観光促進政策の1つで、前年の2013年には、「馬息嶺スキーリゾート」が開業したことに合わせて冬季観光も解禁され、1年中いつでも通年で北朝鮮を旅行できるよになったことに続く目玉イベントとなった。

 実は平壌マラソンは、「国際陸上連盟(IAAF)」認定の国際大会なので世界レベルの選手も招待選手として走るちゃんとした大会だったりする。

 北朝鮮への旅行費用が高くなるものの市民ランナーにとってこの大会の魅力は、競技場でゴールができることだ。ハーフマラソンとフルマラソンは金日成競技場でゴールができ、気分はまるでオリンピック選手のような感動体験ができるのだ。

 金日成競技場は5万人ほど収容でき、競技場のゲートをくぐって戻ってくると今まで経験したことがない下っ腹へドドドっと打ち込むような言葉ではうまく表現できない大歓声を受けることができると参加経験者は話す。

 「まるで自分のためだけに送られている声援かのように勘違いするくらい感動的な体験でした」

稼げなかった外貨は秋の大会でか?

 一方、一般ランナーには厳しい面もありフルマラソンの制限時間が4時間半とかなりハードルが高い。相当な練習を積んだランナーではないと完走は難しい。

 現在、人気の世界的な大会、たとえば、バンコクマラソンは制限時間6時間、先日、一般ランナーの参加中止が決まった東京マラソンは7時間、人気のホノルルマラソンは制限時間なしからすると4時間半はかなり厳しいことが分かる。

 春のマラソン大会中止は観光収入的には痛手であるが、2017年からは9月末に秋の平壌マラソンも開催されており、今年はこちらへ力を注ぎ大規模な大会にする可能性が高い。

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