北朝鮮人の会話が聞こえるほど接近するモーターボート

北朝鮮人の会話が聞こえるほど接近するモーターボート

断橋近くにある遊覧船乗り場とモーターボート

 中朝国境の丹東にある旅行会社への取材で人気だった観光用のモーターボートの営業が全面停止していることが明らかになった。

 中朝国境を流れる鴨緑江を遊覧するのは20、30人が乗船できる遊覧船が知られているが、民間業者が経営していた高速モーターボートでの遊覧も一部では人気を博していた。

 モーターボートが人気だった理由は、スピードだけではなく、遊覧船は川の中央くらいまでしか行かないところをボートは北朝鮮側である対岸ギリギリまで接近するため北朝鮮を間近で見ることができ、北朝鮮人の話し声がはっきりと聞き取れるほどの近さまで接近することが好奇心を掻き立てるのであろうか遊覧船にはない魅力として人気を集めていたのだ。

 その人気のモーターボートが一斉に姿を消していた。

多くのモーターボート業者が闇営業だった

 姿を消した理由は昨年1月上旬に強化された国連制裁の影響だ。

 「昨年1月に断橋近くのモーターボートの営業が停止され、春ごろには、虎山長城近く、そして、北東の河口村のモーターボートも営業停止になり、現在、丹東周辺のモーターボート観光はどこも営業していません」(丹東の旅行会社担当者)

 観光客に人気だったのに日本や韓国のマスコミでは報じられていないのは、中国らしい事情があるようだ。

 「多くのモーターボート業者は無許可のいわば闇営業に近かったため丹東市(丹東市旅遊局=観光庁相当)は推奨しておらず、各旅行会社へ元々モーターボート観光をツアー内容へ組み込まないように通達がされていました。そのため中止になっても話題にならなかったのではないでしょうか?」(前出の旅行会社担当者)

虎山長城近くのモーターボート名物は水上マーケット?

虎山長城近くのモーターボート名物は水上マーケット?

鴨緑江上で観光ボートと連結する北朝鮮の木造船

 丹東で営業されていたモーターボートは、丹東最大の観光地である断橋付近や丹東中心部から車で30分ほどで行ける虎山長城近くでも2、3か所ほど営業されていて人気だった。他にも「もう1つの断橋」として知られるようになった河口断橋(丹東から北東約50キロメートル)にも、遊覧船とともに観光用のモーターボートが運営されていた。

 中でも虎山長城近くのモーターボートが人気だった。その人気のに秘密は、断橋や河口断橋の観光ボートでは体験できないことができたからだ。

 「モーターボート料金は30分ほど乗って100元(約1615円)と丹東の物価を考えると安いものではありません。乗る前に渡されたライフジャケットを身につけて高速でしぶきを上げなら水上を滑走するのですが、川の中央から北朝鮮側へ入るとどこからともなく手漕ぎの木造船が近づいてきて漁民のようなおじさんが船同士を慣れた手つきで固定し連結させます。するとゴソゴソと船底から取り出して売り始めます。漁民を装った水上マーケットなんです」

(続く)

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