1月9日に閉店してからわずか3か月で同じ店名同じ場所で密かに復活

1月9日に閉店してからわずか3か月で同じ店名同じ場所で密かに復活

再オープンした丹東柳京飯店でのステージショー

 中国丹東で閉店した北朝鮮レストラン(以下北レス)が早くも復活の狼煙を上げつつある。

 中国には北レスがもっとも多いときで100店ほどあったとされていたが、昨年9月に決議された北朝鮮との合弁企業を廃止する国連制裁「北朝鮮制裁決議2375号」に基づき中国は昨年末から年明けの1月9日の履行期限ギリギリで実行に移し閉店した北レスが多く出て日本でもニュースで報じられた。

 丹東でも格式が高いとされた北レス「柳京飯店」も年明けた今年1月も持ちこたえこのまま9日以降も営業を継続するのかと思われたが、デッドラインとされた9日に突然閉店した。

 柳京飯店は昨年11月に国連制裁に抵触しない中国独資企業への転換に成功した言われていたので地元では意外との声が上がっていた。

 その柳京飯店がわずか3か月足らずで復活したことが確認された。しかも同じ店名、同じ場所でだ。

新旧写真を見比べるとステージ背景に微妙な違いが

新旧写真を見比べるとステージ背景に微妙な違いが

閉店前の柳京飯店でのステージショー(2014年撮影)

 
 丹東の協力者によると、新生柳京飯店は、夕方には北レス名物のステージショーを閉店前と変わらず実施しており、新しい運営会社名はまだ明らかになっていないが、北の資本がまったく入っていない中国独資の企業が運営しているそうだ。そうじゃないと国連制裁に抵触することになるから当然ではあるが。

 柳京飯店や北レス復活の動きは3月26日に行われた金正恩委員長と習近平主席との非公式会談が影響していると見るのが自然だ。柳京飯店の復活は会談のあと4月上旬にひっそりと復活している。

 新旧を写真で見比べてみよう。柳京飯店は入り口左手にテーブル席フロア、2階は個室や北朝鮮から輸入品を販売する商談スペースとなっていた。一般客は左のテーブル席のフロアへ通されて食事をしたりステージョーを観覧する。ステージはフロアに入ったすぐ右手、入り口側にある。

 新生柳京飯店のステージショーの写真を見るとステージの場所は同じことが分かる。違いはステージ背景の壁紙から中朝両国の国旗が消えたこと。背景画デザインも多くの店が北朝鮮をイメージする山や自然が描かれることが多いが、桜のようだ(北朝鮮にも桜や見た目がよく似た杏の花がある)。ステージ奥の電子ピアノとドラムセットは以前と同じことが確認できる。

 写真提供者が訪れた日は平日だった観光客で満席だったそうだ。

旧運営会社である鴻祥集団・馬暁紅はいまだに軟禁状態が続く

旧運営会社である鴻祥集団・馬暁紅はいまだに軟禁状態が続く

閉店前は昼と夕方にステージショーが行われていた柳京飯店

旧運営会社である鴻祥集団・馬暁紅はいまだに軟禁状態が続く

 丹東を象徴する北レスと言えば、昨年11月に閉店した世界第大規模の北レス「丹東高麗館」だった。しかし、規模でこそ劣る柳京飯店が丹東高麗館より注目される理由、それは1月の閉店前の運営会社が、「鴻祥集団」だったからだ。

 鴻祥集団は、美人経営者として注目を浴びた馬暁紅氏が率いたグループで、2016年8月に北朝鮮へ核関連物質を売却した容疑で拘束され、その後、アメリカから鴻祥集団と馬氏ら経営陣4人が独自制裁対象にされている。

 その馬氏は、丹東関係筋によると現時点でも軟禁状態が続いているようで、釈放されたとの情報はないようだ。

 ちなみに先ほど紹介した「核関連物質を売却した容疑」は、主に韓国メディアを中心に報じた内容で、馬氏は北との密貿易の嫌疑となっているが、中国の国内的は脱税など軽微な罪に問われているだけとなっている。にもかかわらず、いまだ自由の身になっていないということであれば、独自制裁対象へ指定したアメリカの目や批判を警戒していることなどが考えられる。

 この数か月での北朝鮮情勢の予想外の好転化は北レス復活への強力な後押しとなるのであろうか。

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