金英哲党副委員長の訪米は何をもたらすか?どうなるトランプ大統領と金正恩党委員長による6.12米朝首脳会談

 このように、金英哲党副委員長は南北交渉の実績を積んだベテランであり、金正恩党委員長の信任も厚い。
 休戦協定締結のためには外交的観点からだけではなく軍事的観点からもアプローチする必要があるため、軍事にも精通している金英哲党副委員長が適任とされたのだろう。
 5月26日の南北首脳会談に金正恩党委員長と同席したことからも、南北交渉、米朝交渉の最前線を任されていることは明らかである。 

 今回ホワイトハウスが今回の会談が重要視したのも、金英哲党副委員長が金正恩党委員長の最側近であり、キーパーソンであるという認識を持っているからなのだろう。

 ちなみに、北朝鮮最高幹部で訪米したのは2000年10月に金正日総書記の特使として訪朝した趙明禄(チョ・ミョンロク)国防委第1副委員長兼軍総政治局長以来18年ぶりとなる。

 当時クリントン大統領は、趙明禄第1副委員長の訪朝に非常に驚き、同人が携えてきた金正日総書記からの訪朝を促すメッセージに心が動かされたが、まずは準備が必要としてオルブライト国務長官を平壌に派遣したことは知られている。

 残念ながら、クリントン大統領は在任中に訪朝することはできなかったが、趙明禄訪朝がホワイトハウスに与えた影響は大きかったことは間違いない。

 今回の金英哲訪朝は、ホワイトハウスに何をもたらしたのだろうか。

 金英哲党副委員長の会談後、トランプ大統領が「米朝首脳会談は1回きりでは終わらない」と表明したことは、北朝鮮の核問題が6.12第一回米朝首脳会談での1回のみで解決できるものではないという認識を示すとともに、北朝鮮さえ敵対行動にできなければその後も引き続き対話する意思があることを示したものといえる。

 6.12の米朝首脳会談では、米朝間の敵対関係の解消について合意されることになると思われるが、それ以外にどれ程踏み込んだ内容で合意できるかに注目したい。

八島有佑

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