文在寅大統領には、「金正恩党委員長がいささか韓国の態度に落胆したとしても、南北対話及び米朝対話をやめることはありえない」という認識のもと、9月会談が、朝鮮半島の非核化に向けた南北双方の意思確認や、「板門店宣言」履行に向けたスケジュール調整で終わったとしても問題ないという余裕があるのかもしれない。

 これまでの文在寅大統領の対北政策から、「米朝対話が進まない限り南北経済協力も大きく動き出せないのだから、その間に南北が再び疎遠になるよりはこのタイミングで顔を合わせて南北首脳の関係を強化すべきである」と考えている可能性もある。
 
 南北首脳会談が合意されたことで、今後会談準備のための南北協議が進められ、政府高官など文在寅大統領の特使が訪朝する可能性が高い。

 文在寅大統領にとって特使の派遣は、金正恩党委員長の非核化などに対する意向を確認し、米朝関係進展のために韓国がなすべきことを明確にできる重要な機会となる。

 “米朝対話の膠着(こうちゃく)状態を打破できる切り札があるのか?”“それとも南北関係の強化に注力するのか?”

 文在寅大統領の9月会談成功の「勝算」が何であるかは早ければ8月中に明らかになるかもしれない。

久原嶺白(Hisahara Mineaki)
 

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