韓国内から「K防疫の勝利」の声は?

韓国内から「K防疫の勝利」の声は?

ソウル・マスク着用での花見。K防疫崩壊もコロナ終焉宣言って?

 3月末のウォール・ストリート・ジャーナルに「新型コロナウイルスが風土病に転換する初の国は韓国になるかもしれない」という記事が載った。

 パンデミック(世界的な感染大流行)からエンデミックへ。

 現在、これが世界中の共通認識になっているコロナの終わらせ方。つまり、一定地域で季節的に流行を繰り返す風土病に移行することで、新型コロナウイルスは季節性インフルエンザのような存在となる。

 韓国がそれを最初に行う国。世界に先がけてコロナ終焉宣言を出すことになるかもしれない。ということなのだが。

 他国の評価をやたら気にするお国柄。いつもであれば、韓国のマスコミがこぞって「K防疫の勝利」とか言いながら自画自賛して悦に入りそうな感じなのだが、意外に反響は少なかった。

 なぜなのだろうか。

「韓国はパンデミックから抜け出せる手段を持っている」

 今年3月の段階で人口に対する新規感染者の割合で、韓国は米国の約3倍にもなる感染爆発を起こしていた。

 そんな状況で、韓国政府は感染防止措置を撤廃して経済活動を再開させている。

 集団免疫を獲得するには、ウイルスの蔓延に目をつぶるしかない。感染力が高いわりに毒性が低いとされるオミクロン株の蔓延は、それに最適ということだろう。

 不安視する国民は多く“政治防疫賭博”と揶揄されていた。

 しかし、韓国ではすでにワクチンを2回接種した人が86.08%と中国に続く世界2位の接種率を誇っている。

 3回目の追加接種も64.65%で世界のトップクラス。さらに公衆保健システムも万全で、感染者の死亡率でも3月17日時点で0.14%と他国に比べてかなり低い。

 これらの条件からウォール・ストリート・ジャーナルの記事では、

 「パンデミックから抜け出すことのできる適切な手段を持っている」

 と、伝染病専門家のコメントを載せて韓国政府の決断は正しいと判断したようだ。

韓国から学ぶコロナの終わらせ方

 現実を見てみれば、防疫措置を撤廃後の3月中旬に1日の感染者数が60万人を突破。韓国政府が予測していた1日31~37万人をはるかに越える数だった。

 これだけの数が感染すれば、いくら致死率が低いとはいえ、重症者や死者数もそれなりの数になる。

 重症患者の激増で医療システムの危機を訴えるニュースが連日のように報道され、大統領や疾病庁に対する批判や謝罪を求める声も多く聞かれた。

 外国の新聞が韓国を褒めて、国民がそれを否定して低評価。

 韓国では決して見られることのなかった、かなり珍しい事態ではある。それだけ状況が逼迫(ひっぱく)していたのだろう。

 しかし、近々の4月8日は感染者数も20万5333人に減少しており、死者数もピーク時の3分の1程度になっている。

 数字を見れば、韓国政府の判断は正しかったと言える感じになってきた。今さらながらにウォール・ストリート・ジャーナルの記事を取り上げて、

 「韓国は世界が認めた最初のコロナ戦勝国」

 とか、そろそろ韓国マスコミの自画自賛が始まるか。

 そうなることが、世界にとっても幸いなことだと思う。コロナの終わらせ方。それを韓国に学んで、日本も方針転換を図る時期なのかもしれない。

青山 誠(あおやま まこと)
日本や近隣アジアの近代・現代史が得意分野。著書に『浪花千栄子』(角川文庫)、『太平洋戦争の収支決算報告』(彩図社)、『江戸三〇〇藩城下町をゆく』(双葉社新書)、近著『日韓併合の収支決算報告~〝投資と回収〟から見た「植民地・朝鮮」~』(彩図社、2021年)。「さんたつ by 散歩の達人」で連載中。 

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