玉流館冷麺の味の秘密はキジ?

玉流館冷麺の味の秘密はキジ?

豪華な器で登場する玉流館の冷麺

 1杯日本円で500円程度だが、労働者の平均月給が3000円程度とされる北朝鮮では、相当なごちそうになる。それでも、首脳会談効果で、玉流館の人気が爆発し、最近は訪れる客の数は3倍に増えている(平壌発『共同通信』)らしい。

 冷麺は、現在の朝鮮北部発祥の料理とされる。朝鮮戦争時(1950~53年)に、北から逃げてきた人たちが韓国で広めた。寒冷地でも育つソバが麺に盛り込まれている。

 玉流館冷麺の秘密は、さっぱりしたゆで肉と、錦糸卵、糸唐辛子、梨の薄切りなどをとともに食べる。甘酸っぱくてさっぱりとした汁の味で知られている。
 
 製法は秘密とされるが、調べて見ると韓国には玉流館出身の料理人、ユン・ジョンチョルさんが開いている店がある。トンム・パプサンといい、ソウルの麻浦区にある。平壌冷麺も売り物にひとつだ。

 最近テレビや新聞に出まくって、平壌冷麺を語っているユンさんによれば、玉流館の麺は、ソバが40%、片栗粉が60%の割合だ。肉汁にはキジ肉のエキスが入っているという。隠し味に醤油も使っているという。

 酢を混ぜながら食べるのが一般的で、その混ぜ方も独特。麺を絡めた箸に酢を垂らしながらくるくる回すのが「玉流館」流なのだ。

Pyongyang Dish / KBS뉴스(News)
韓国「KBS」の英語版(字幕付き)。9月の南北首脳会談や玉流館の冷麺の食べ方、金正恩氏が食べる映像

 筆者は、2回訪朝した経験があるものの、残念ながら、玉流館には行ったことがない。最近は混雑が激しいため、外国人観光客もなかなかはいれないらしいが、訪問が叶えば、私もぜひ、「酢の箸たらし」に挑戦してみたい。

 ただ、韓国では一般的に唐辛子をたっぷりと入れ、濃い味付けになっているので、平壌冷麺を食べた韓国人の中には「水っぽい」と言う人も少なくない。

 玉流館は、北京やドバイ(アラブ首長国連邦)にも支店がある。韓国にできれば、少なくとも文在寅政権が続いている間は、「平和の味」を求める客でごった返すにちがいない。

米軍基地跡地も支店候補地に

米軍基地跡地も支店候補地に

日本語にも対応している東豆川市の公式サイト

米軍基地跡地も支店候補地に

 そこでさっそく名乗りを上げたのが、ソウル郊外の京畿道(キョンギド、道は県に相当)である。
2007年10月に訪朝した京畿道の李華泳・副知事が、北朝鮮側と、支店の出店について話し合いを進めることで合意したのだ。

 京畿道の中でも、北部の東豆川(トンドチョン)市が熱心に誘致活動を繰り広げている。東豆川市は、大規模な米軍基地があったが、今年夏に、一部を残してソウルの南60キロメートルにある平澤米軍基地に移転し、21万平方メートルにも及ぶ空き地は、市に返還される予定だ。

 東豆川の米軍は、万が一北朝鮮が武力攻撃した場合、即座に反撃するために朝鮮戦争後に駐留を始めた部隊だった。それだけに、同じ場所に南北和解を示す北朝鮮の食堂ができれば、話題を集めるだろう。

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