Q 「朝鮮学校の学生は、米国企業の「iPhone(アイフォーン)」や韓国企業の「LINE(ライン)」を使ってはだめなのではないか?」という声もありました。確かに平和条約が締結されるまで朝鮮戦争が続いているという認識の下だと、ある意味では敵国の製品を使用することは「いけないこと」なのかなとも思いますが。

 米国や韓国の製品を禁止するなんてことありませんし、そもそも学生どころか教員がiPhoneやLINEを使っています。日本人と同様、どこの国のものであっても、「よいものや便利なものを使う」というスタンスです。どこの国の製品だから使ったり使わなかったりするということはありませんし、それは学校としても学生としても同じです。当然、学生が所有している製品がどこの企業のものであれ、それを理由に取り上げるなんてことはありえませんよ。むしろ、そのような疑問が日本人の中にあるのだと聞いて驚いています。

Q 朝鮮学校に対して、「閉鎖的で独自文化が築かれている」という認識を持っている人は多いかもしれません。

 朝鮮学校のことをよく知らない方は、朝鮮学校を治外法権か何かだと考えているのかもしれませんね。以前、日本の大学で講演した際、学生から「朝鮮大学校の売店などでは通貨はどこの国のものが使われているのですか?」という質問を受けて驚いたことがあります。もちろん学校で使用しているのはウォンではなく円ですよ。朝鮮大学校は日本にあるのだから当然です。

 また、朝鮮学校を閉鎖的だと考えている人も多いかもしれませんが、他大学との交流もありますし、イメージにあるような閉ざされた空間ではないです。でも日本人が朝鮮学校に対してそのような疑問を持っているというのは興味深いです。

 
 今回、金哲秀氏に答えてもらった質問は、いずれも朝鮮学校のことを多少でも知っている人なら「まさかそんな疑問が…」と思うものだったかもしれない。
 だが、日本人がそのような視点で朝鮮学校を見ている人も少なからずいるというのは非常に興味深いことである。

 
金哲秀氏
1965年東京生まれ。1988年朝鮮大学校政治経済学部卒業、90年同校研究院卒業。現在、朝鮮大学校朝鮮問題研究センター副センター長、在日朝鮮人関係資料室長を務める。
 

八島 有佑

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