北朝鮮やパキスタンなどが全面支持を表明

北朝鮮やパキスタンなどが全面支持を表明

バックパッカーの聖地だった重慶大厦(チョンキンマンション)

 先日、中国が香港への導入を決めた国家安全法制を北朝鮮が全面支持したと中国『環球時報』が報じた。

 中国の国会に相当する全国人民代表大会で採択された香港への国家安全法制導入についてアメリカなど欧米諸国は反発を強めている。

 5月30日の環球時報は、アメリカなどの反発には触れず、香港への国家安全法制導入を北朝鮮、パキスタン、ベトナム、ロシア、ベネゼエラ、カンボジア、ラオス、イランが香港は中国の内政問題であるとして国家安全法制導入に全面支持していると伝えている。

北朝鮮の全面支持コメントをトップで紹介

 この中では北朝鮮外務省の談話として、近年の香港での出来事は、香港の一国二制度の原則を揺るがし中国の安全保障を脅かす重大な驚異となっている。また、社会主義国のイメージを汚し、社会を混乱させる要因となりつつある。しかも、これらすべては外部勢力による中国の国家分裂を画策するものである。

 香港問題は、中国の内政問題であり、いかなる国家勢力も関与、言及する権利はない。北朝鮮政府は、香港の社会安定と経済発展を阻害する外部からの干渉には断固反対する。

 北朝鮮は、中国共産党と政府が国家主権と安全、領土保全を守りつつ、香港の安定と繁栄を担保する一国二制度を堅持するために香港へ導入を決めた国家安全法制を全面的に支持する。
 
 と支持を表明したとされる国ではトップで大きく伝えている。

ザ・官製メディアな環球時報

 環球時報は、中国共産党の機関紙『人民日報』系列で主に海外ニュースを中心に報じている。当然ながら中国国内へ伝えることを目的としており、アメリカや欧州、日本などの事件、事故、政治スキャンダルまでを詳細に、しかもいち早く伝えることが多い。一方、官製メディアなので中国共産党や中国政府が主張する“革新的利益”を否定するようなニュースは、一切取り上げず、政府を利する肯定的なニュースで紙面が埋められるという非常に分かりやすい、まさにこれぞ“ザ・官製メディア”という構成になっている。

中国人が好きな周辺国不動の1位パキンスタン

 今回、香港への国家安全法制導入を支持すると伝えた国を見ると、ベトナムを除くと親中、媚中とされる国とアメリカに敵対する国が並ぶ。

 政治、経済も含めたカンボジアやラオスの親中、媚中っぷりは日本のメディアでも伝えられるのでよく知られることであるが、パキスタンはあまり知られいないかもしれない。

 中国はインドと領土問題を抱えてることもあり建国以来、衝突が絶えない。そのインドと対立するパキスタンへインド対策を目的に長年に渡り戦略的に接近する政策を実施している。

 中国国内にパキスタン製品もパキスタン人もほとんど見かけないにもかかわらず、パキスタンは、中国国内で実施される好きな周辺国アンケートでなぜか不動の1位を誇る。中国人の多くがパキンスタンがどんな国かも知らないのにもかかわらず謎の1位なのは、中国政府の意向を大いに忖度した結果なのは言うまでもない。

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