一緒にクラブで踊ったりコーラが美味しいと聞いた日本人留学生

一緒にクラブで踊ったりコーラが美味しいと聞いた日本人留学生

北朝鮮人留学生が学ぶ東北財経大学(大連)

一緒にクラブで踊ったりコーラが美味しいと聞いた日本人留学生

中国留学で北朝鮮人と同級生に 北朝鮮人留学生とは?(1/2)の続き。

 「同じクラスに北朝鮮人の男の子がいました。年齢は当時21歳。お父さんが貿易業をやっているとかでお金持ちだったようです。洋服もおしゃれで、明るく活発な一見すると北朝鮮人のイメージとはほど遠く、親が借りたマンションで一人暮らしをしていたようです。授業が終わってみんなで食事をしたり、休日にクラブへ踊りに行ったりしていました。ごく普通でしたよ」(2010年留学の日本人女性)

 分からないように行動や言動を監視する人間はいたと思われるが、同級生だった日本人女性には自由行動しているように感じたとのことだった。

 2009年に「東北財経大学」(大連)へ語学留学した日本人男性は、彼らは他の外国人との接触を最小限にしているように思えたが、非常に真面目だったと話す。

 「担任の先生に『北朝鮮に興味あって行ってみたい』と頻繁に話していたら、バレーボール大会のときに先生に呼ばれて、彼らが朝鮮の留学生だよと紹介してくれました。その後、校舎で会ったら立ち話をするようになり、『将来は中国語を生かした仕事をしたい』などと夢を語っていました。彼らの寮へお邪魔してみたかったのですが、それは実現しませんでした。『コーラが美味しい』など彼ららしい本音が印象に残っています。年1で開催されたスピーチ大会で登壇した北朝鮮女学生の目がキラキラして役者みたいなだと同級生たちと話していました。今、彼らは幸せに暮らしているのかなと、たまに思うことがあります」(日本人男性)

代々の北朝鮮留学生が同じ部屋を使用

 大連と同じ遼寧省の瀋陽にも北朝鮮からの留学生が多い。瀋陽は、平壌との直行便があり、北朝鮮領事館がある都市だ。

 瀋陽の大学関係者に聞いた話では、北朝鮮留学生の宿舎は、他の留学生たちと同じ学生寮ではあるが、韓国人とは別棟になっており、北朝鮮人留学生の間で毎年同じ部屋を使うような慣習になっていたそうだ。

 想像の域を出ないが、指導者の肖像画や会話を盗聴するような特殊な内装が施されていたのかもしれない。

学習態度は真面目。学期が終わると全員で一時帰国

学習態度は真面目。学期が終わると全員で一時帰国

北朝鮮からの駐在員が多い都市では中高生の留学生もいる

学習態度は真面目。学期が終わると全員で一時帰国

 2010年代前半に瀋陽で聞いた話では、やはり領事館があることで監視が厳しいのか、他国の留学生たちと積極的に交流する姿はほとんど見られなかったと前出の関係者は話す。

 一方、留学生としては非常に真面目で、宿題も忘れずしっかりとやってきて暗唱中心の中国の学校教育の中で不慣れな漢字も覚えてきたそうだ。

 中国の学期は、9月から1月中旬。3月から7月上旬の2期制。春節休みと夏休みが長い。留学生は半年、1年有効のビザを取得するので休みに入っても滞在することができるため帰国せずに中国各地を旅行したり、個別に民間の語学学校へ通ったりして勉強を続ける学生もいる。

 一方、話を聞いた瀋陽の大学の北朝鮮人留学生は、学期が終わると全員、一緒に一時帰国する。そのため長期連休のときには、北朝鮮人留学生は学内に1人もいないようだ。

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