台風10号に備えて丹東のダムで事前放流実施

台風10号に備えて丹東のダムで事前放流実施

水豊ダム上流施設

 朝鮮半島は8、9、10号と3連続で台風直撃を受けた。昨日、複数の丹東在住者へ確認すると丹東での10号よる台風被害はないとのこと。そうすると、丹東対岸の新義州でも同様とみられる。

 台風関連で中国のSNS「ウェイボー(微博)」で気になる投稿を見つけた。7日の「中国気象局」の投稿で、「台風10号に備えて5日午前、丹東の『土門子ダム』の事前放流を実施。同ダムの貯水位は62.15メートルに達し、制限水位を0.15メートルを越えている。放水することでダムへの圧力を緩和し、台風10号による降雨の流れ込みにも耐えることができる」と動画付きで伝えている。

水豊ダムなど中朝国境のダムは非観光地

 多くの人が丹東のダムといえば、鴨緑江の上流の北朝鮮の国章にもデザインされている「水豊ダム」をイメージすると思うが、 土門子ダムは丹東から西へ40キロメートルほど内陸にあるダムだ。実は、丹東市の内陸部には日本人が知らないダムが点在する。

 「バイドゥ(百度)百科」によると、 土門子ダムは、1975年建設の利水ダムで、中国の国家第2種ダムに指定される大型ダムだ。同ダムは発電やダム湖を利用した養殖なども盛んで観光地としても整備されている。また、説明には、今夏、崩壊危機で話題となった「三峡ダム」でも使う“100年の1度の洪水にも耐える1000年建築”という言葉も並んでいる。

 水豊ダムなど鴨緑江にある水豊ダムを含む4つのダムはセンシティブな中朝国境にあるため観光地化されていないが、土門子ダムは観光地として開放されている。

丹東は元々多雨地域。三峡ダム崩壊危機の火消しか?

 さらに微博で丹東で検索するとなぜか上位に「丹東は中国東北3省でもっとも雨が降る地域であることを知っていますか?」の投稿が表示される。

 丹東は元々雨が多く年平均降水量は1000ミリリットルあり、これは東北3省でもっとも多い。日本全体の年平均降水量は1718ミリリットル、東京1466.7ミリリットル(国土交通省)なので東京の3分2くらい雨が降る。

 やや穿った見方だが、三峡ダム崩壊危機が中国国内でも話題となった影響で、土門子ダムや自分たちの住む地域のダムは大丈夫かという懸念が中国全土へ広がったことへの火消しの1つと考えられる。

大手コンビニPB菓子で使われる鳳城栗

 余談になるが、 土門子ダムは、鳳城市にある。丹東市は、振興区、元宝区、振安区の3つの区と東港市、鳳城市という2つの市、寛甸満族自治県で構成されている。日本で言えば、東京都のようなイメージだろうか。丹東市全域の面積は、岩手県とほぼ同じで、実は瀋陽や大連よりも市全域では広い。

 鳳城は栗の産地で知られており、日本へも多く輸入されている。日本で売られている天津甘栗の栗は鳳城産が多く使われている。天津産ではない。

 大手コンビニエンスストアの栗を使ったプラベートブランド(PB)の洋菓子などに鳳城の栗が使われている。鳳城の栗は大粒で甘みが強いことで人気だったりする。

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