なぜかSNS上を賑わす丹東抗美援朝記念館

なぜかSNS上を賑わす丹東抗美援朝記念館

丹東抗美援朝記念館への来館予約ができるWeChat公式アカウント

なぜかSNS上を賑わす丹東抗美援朝記念館

丹東が反米の象徴に? 抗米援朝をPRする2つのイベント(1/2)の続き。

 中国政府は、1か月以上先の10月25日へ向け、“Go To 丹東”で反米ムードを盛り上げ、丹東を反米の象徴的な場所として、アメリカと勇敢に戦った北朝鮮とそれを全力で支援した中国を演出したい狙いがありそうだ。

 9月9日の北朝鮮の建国記念日に習近平国家主席は金正恩委員長へ祝電を送ったと中国メディアが報じている。

 その前後から、中国のSNS上では、「丹東抗美援朝記念館」についての記事が増え、関連して中国人民志願軍の元兵士の証言インタビュー、中国版ユーチューバー(網紅)らしき人物が自画撮りでリニューアルオープン前の丹東抗美援朝記念館を訪れて絶賛する動画で埋め尽くされている。

 いずれも一般の中国人の世論、トレンドのように演出されているが、明らかに中国政府の意向を強く反映させて作られた官製世論だろう。

朝鮮戦争の原因は北進?南進?中国の二枚舌史観

 丹東抗美援朝記念館公式サイトの説明には、中国がアメリカの侵略に抵抗するために北朝鮮を支援するというスローガン「抗美援朝精神」が多く登場する。アメリカの中国侵略を食い止めるため中国は望まない参戦をすることによって朝鮮戦争は休戦を迎えることができたとの説明もある。

 これは北朝鮮の史観、朝鮮戦争はアメリカ(韓国)軍による侵略、北進によるものだとの説明とも読み取れる。

 しかし、現在の中国の歴史の教科書では、朝鮮戦争は、ソ連のスターリンへ同意を得て金日成が南進したことで開戦。脆弱だった韓国軍はあっという間に釜山近くまで追いやられて北朝鮮による武力統一は目前だった。そこへ国連軍の中心としてアメリカ軍が韓国を支援し、38度線付近まで押し返し、さらに38度線を越えて北朝鮮領内まで進行した。1950年10月25日に中国は…となっている。「百度百科」にも同様の説明があるので中国の公式見解だろう。

バーチャル観覧サイト開設で内外へPR強化

バーチャル観覧サイト開設で内外へPR強化

バーチャル観覧もできる丹東抗美援朝記念館公式サイト

バーチャル観覧サイト開設で内外へPR強化

 80年代に教育に受けた中国人によると、80年代は朝鮮戦争の開戦きっかけは、アメリカ軍が進軍してきた北進と習っていたようだが、ソ連崩壊後に秘密文章が公開され歴史的な事実が明らかになった結果、北進とは教えなくなり、現在は、北朝鮮以外の共通認識となるソ連を後ろ盾にした北朝鮮による南進が朝鮮戦争の開戦きっかけと教えているようだ(中国とも事前協議していたことは一切触れていない)。
 
 丹東抗美援朝記念館の9月20日のリニューアルオープンに合わせてかドローン撮影と思われる360度ビューも楽しめるオンライン観覧サイトをオープンしている。館内をバーチャルツアー体験もできる。対外的なアピールも狙っているのだろう。中国国外からのアクセス負荷を減らしているようで日本からもアクセスは比較的に軽い。これも覗いてみてはどうだろうか。

抗美援朝纪念馆_官网
 バーチャル観覧は、トップページメニュー→陈列展览→实景漫游720から観覧できる。

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