条件付きでの往来が再開するもタイ渡航費50万円も

条件付きでの往来が再開するもタイ渡航費50万円も

送迎の車両で渋滞していたスワナプーム国際空港のターミナルも、車がほとんどいない

 新型コロナウイルス「COVID-19」の対策でタイ政府は相変わらず外国人受け入れには消極的だ。一方では、外国人観光客なくしては立ち行かない業界もあることから、外国からの観光客の受け入れを再開させようという政府の動きはある。しかし、タイでも日本を始め、欧米諸国など先進国で感染者が多いことが報道されていることと、タイ国内での新規感染者はほとんどが外国からの入帰国者であることもあって、一般的なタイ国民には受け入れ再開に対し慎重派が多い。

 観光客の入国は現状、行われていないものの、ビジネス関係者、タイ人配偶者がいる外国人などは条件付きでタイに入国することは可能だ。ビザを保有していること、出発前72時間以内に発行された非感染を示す診断書、タイ国内で感染が発覚した場合に対応する保険に加入していることなどがその条件になる。

 また、フライトは自由に予約することはできず、必ず在日本タイ大使館のチャーター便から席を確保することになっている。同時にタイ国内での強制隔離用に14日間の指定宿泊施設の予約も必須だ。そのため、現状はタイに入国するだけで30から50万円の費用がかかるとされる。

8月にタイへ入国した日本人は1656人

 このように日タイ間の人々の行き来はないわけではない。日系の航空会社は1日に数便、タイから日本に向かいたい人のためだけに飛行機を飛ばしている。おそらく日本からはタイ大使館のチャーター以外は貨物のみで飛来し、帰りにわずかな乗客を乗せて日本へと飛んでいるとみられる。

双方の入国者数は統計に出ている。2020年8月の日本国籍者のタイ入国者数は、タイ・イミグレーション警察の統計によればのべ1656人。この数字には飛行機の搭乗員や船舶船員なども含まれる。一方、タイ国籍者の日本入国は、同月の日本政府観光局発表でのべ400人だった。

400人は前年同月比ではマイナス99.2パーセントとなるのだが、今年5月、6月、7月は、ほぼフライトがなかったこともあって9人、10人、12人という推移だったので、8月に日本入国をしたタイ人は劇的に増加したと言える。

日本並に便数が多い韓国行きだが

 同時にタイ発で日本以外の国に行くフライトもないわけではない。たとえば韓国行きのフライトは仁川国際空港へ1日1、2便の便数があるようだ。しかし、元々観光先としてはあまり人気がなかったこともあって、韓国へ渡航するタイ人の数は依然少ない。韓国観光公社の統計によれば、今年8月のタイ人入国者は合計で781人。これもフライトや船舶の従事者も含んでいると見られ、観光では185人、商用はわずか9人しかいない。

 逆にタイに入国する韓国人も少ない。イミグレーション警察の統計では、8月の入国者は1352人と、日本人入国者より2割ほど少ない。ベトナムは「サムスン」など大企業のエンジニアたちに対し特例で数百人の入国を許しているが、タイは基本的に特例がないことから、韓国人入国者が少ないようだ。通常時は韓国人観光客数は日本人よりも多いが、現状は大幅減となっている。
 

バンコクでのK-POP人気は変わらずも韓国人は減っている

バンコクでのK-POP人気は変わらずも韓国人は減っている

夜ということを差し引いても、搭乗ゲート付近は免税店も閉鎖され、電気も消えて静まり返っている

 タイの玄関口であるスワナプーム国際空港もフライト数がかなり少ないため、ターミナル内の飲食店などは営業しているものの、開店休業状態の店がほとんどだ。渡航者もフライトがない限りは空港に来ないので、ターミナル内はフライト時間が差し迫った乗客のみに限られる。

 とはいえ、日本行きの場合は乗客のほとんどが日本人なので、たとえば「全日空」のフライトが近づいた時間帯は空港内に日本人の姿が見え始める。一方、韓国行きの便は多いので数がばらける上、そもそも韓国人自体の往来が減っているので、空港で韓国人の姿は市中よりもさらに少ない印象だ。

 エンターテインメントの世界では相変わらずK-POPなどが人気なのは変わりはないが、実際的に韓国人の姿がバンコクではかなり減っているのである。

高田 胤臣
タイ在住ライター。2002年から現在にいたるまでバンコクで過ごしている。『バンコクアソビ』(イースト・プレス・2018年)、『バンコク 裏の歩き方【2019-20年度版】』(彩図社、2019年・皿井タレー共書)、『ベトナム裏の歩き方』(彩図社、2019年)、近著『亜細亜熱帯怪談』(晶文社、2019年・監修丸山ゴンザレス)など。
@NatureNENEAM
在住歴20年が話したい本当のタイと見てきたこととうまい話と(note)

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