団体旅行の比率が減少する中国

団体旅行の比率が減少する中国

17年春以降めっきりと減った中国人訪韓観光客

団体旅行の比率が減少する中国

 「文さんになってから一切連絡が来なくなりましたよ。韓国は政権が変わるとまったく違う国くらい言ってることが変わるので付き合いづらいです。まあ、韓国人もコロコロ変わるので同じような印象を持っていますが」

 と話すのは中国瀋陽の中堅旅行会社Sの創業者。

 中国は個人旅行の比率が増えている。現在では個人と団体旅行の比率は3対7くらいとなり急速に団体旅行の割合は減っている。

 これはかつての日本も同じで今や団体旅行を経験したことがない若い世代では団体旅行を避ける傾向が一般的になっている。

 中国ではそれでも一定数の団体旅行ニーズが存在する。個人では予約が難しいスキー場だったり、体験・参加型の観光だったりと旅行会社の強みを生かした商品が増えている。このあたりの傾向も日本と同じではないだろうか。

いまだにTHAADミサイル配備への報復で韓国向け団体旅行禁止中

 S社では、日本、韓国、そして北朝鮮向けの団体旅行を企画して実施している。この3か国での売上比率で言えば、7:2:1くらいとなるそうだ。しかし、これは韓国への団体ツアー全盛期での話。新型コロナ前の2019年は韓国ツアー実施はゼロだったので、9:0:1だったという。

 日本ではあまり知られていないが、現時点でも中国は韓国へ制裁処置で団体旅行を実質的に禁止したままなのだ。制裁理由は、2016年、朴槿恵時代に配備を決定した「終末高高度防衛(THAAD)ミサイル」へ対するものだ。制裁と表現しているがいわば報復だ。

 2017年3月に韓国へのTHAADミサイルの配備が始まると中国は激しく反発し、いわゆる禁韓令を出して団体旅行を禁止した。韓国は日本に2015年、外国人観光客の数で追い抜かれており、この禁韓令により日本を追随する大きなピースを失ったことを意味していた。

北朝鮮旅行の実施有無を確認する謎の電話

北朝鮮旅行の実施有無を確認する謎の電話

大韓民国駐瀋陽領事館サイト。中国東北(旧満州)と韓国の歴史的なつながりのPRも

北朝鮮旅行の実施有無を確認する謎の電話

 旅行会社Sには、李明博、朴槿恵政権時代には、瀋陽の韓国領事館関係者を名乗る人物から北朝鮮ツアー実施を確認する電話が頻繁にかかってきたという。

 S社代表はこの話を同業社から聞いていて知っていたので、「うちでは実施していませんよ」と答えると、「ああ、そうですか。分かりました」と電話は終わる。しかし、また数か月後にはかかってくるような状況だった。

 もし、ここで北朝鮮ツアーを実施していると認めるとどうなるのか。韓国政府が各旅行会社へ出している韓国旅行ライセンスを取り消すと脅してくるという。加えて、その会社を経由して申請した中国人向けの韓国の観光ビザも不許可にするとこれまた半ば脅しに近いことを電話口で言ってくるそうだ。

(続く)

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