中国吉林省限定でビザなし往来できる羅先住民

中国吉林省限定でビザなし往来できる羅先住民

チュ・ソンハ氏は北朝鮮で卓球ビジネスをやれば儲かると語る

中国吉林省限定でビザなし往来できる羅先住民

 北朝鮮では国を挙げた卓球ブームが続いていると韓国『東亜日報』の脱北記者チュ・ソンハ氏が著書『平壌資本主義百貨全書』やインタビューで明らかにしている。

 その話を裏付けるような話を中国朝鮮族の男性から聞くことができた。

 瀋陽で衣類の製造販売事業を営む朝鮮族の全さんは、以前、羅先の企業と取り引きをしていたことがある。現在は国際制裁の影響で取り引きは停止しているものの制裁が緩和されたり、解除されたらまた北朝鮮企業への投資や取り引きをしたいと考えている。その意図もあり、取り引きをしていない現在も北朝鮮関係者との関係を維持することは継続している。これも一種の将来への投資だと全さんは語る。

 新型コロナウイルスの影響で中朝国境が封鎖される前の昨年10月、以前、生産を委託していた羅先の工場関係者が11月に吉林省延吉を訪れるので会いたいと連絡が入った。

 羅先在住の北朝鮮人は中国の吉林省限定でビザなし往来ができる特権を持っている。しかし、彼らは省を越えた遼寧省まではビザなしでは行けないため来てほしいというわけだ。

リクエストしてきた日本製品

 現在、瀋陽から延吉まで高速鉄道を利用すれば乗り換えなしで4時間ほどで到着する。

 全さんは延吉まで会いに行くと伝えると、北朝鮮関係者から「お土産」として卓球のラケットをリクエストされたという。

 しかも、「バタフライ」の福原愛選手モデルと張本智和選手モデルとかなり具体的な型番まで伝えてきた。

 中国は卓球王国として知られるが全さんは卓球をしないため詳しくなかったこともあり、調べずに承諾してしまったという。

 バタフライを展開する「株式会社タマス」と「ニッタク(日本卓球株式会社)」はともに日本企業で世界的な卓球メーカーとしてブランド力が高い。あまり知られていないが卓球では、日本企業のブランドが非常に強く、他は欧州の卓球強国ドイツなどのメーカーが有名となっている。

卓球ブーム継続中。日本ブランドが大好きな北朝鮮人

卓球ブーム継続中。日本ブランドが大好きな北朝鮮人

北朝鮮ではどこの製品のラバーを使っているのか気になる

卓球ブーム継続中。日本ブランドが大好きな北朝鮮人

 中国にも有名なメーカーはあり、特に「DHS(紅双喜)」の粘着性がある特殊なラバーは日本でも愛用者が多いとされる。中国メーカーのラケットはどうかと後から確認したそうだが、北朝鮮側からはバタフライがいいと即答される。

 全さんは10月末に東京を出張した際に都内の卓球専門店を訪れて希望したラケットがともに2万円を超える価格に仰天したが、承諾してしまったので仕方なく購入した。

 「中国人もそうですが、(北)朝鮮の人たちも日本製品が大好きで、絶大な信頼をしているようです。羅先でも卓球ブームが起こっているらしく、職場に卓球台があったり、お金持ちは本格的な卓球教室へ通っていると話していました。ラケットはバタフライ、球はニッタクが最高と話していました」(全さん)

 どうやら北朝鮮の卓球ブームには、2016年のリオデジャネイロオリンピックで女子シングルで銅メダルを獲得したカットマンのキム・ソンイ選手の影響も大きいようだ。

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