韓国に負けない北朝鮮の教育熱

韓国に負けない北朝鮮の教育熱

起立して観光客を迎える中学生ら(平壌市内・訪朝者撮影)

 東亜日報の脱北記者チュ・ソンハ氏の『平壌資本主義百貨全書』は、370ページに及ぶ分厚い本である。

 内容はそれこそ、日常生活、経済活動、恋愛・結婚、平壌でのビジネス文化まで幅広い。今回は、他の北朝鮮関連本にはほとんど書かれていない教育事情について紹介されている部分を訳してみよう。

 大学進学率で見ると、韓国は経済協力開発機構(OECD)加盟国、いわゆる先進国中では1位の64%になっている。

 日本は52%で、アメリカが43%なのでいかに韓国のが高いかが分かる。この進学率の高さが、逆に就職の難しさにつながっている。北朝鮮も同じ民族だけに、教育には大変な力を入れているようだ。

ピアノ、英語、卓球が人気3冠王

 北朝鮮では、塾というものがない。教育は無償で国家が行うものという建て前があるからだ。しかし、お金のある人は子どもの教育には金を惜しまない。北朝鮮でも同じだ。

 ピアノの場合、専門の教育を受けた年配の男性や女性が家で教えている。音楽学校の大学生が引き受けることもある。

 1回20ドルほどかかるという。北朝鮮の労働者の平均月給は1ドル未満とされているので、とんでもない高額だ。それでも音楽専門大学に進学すれば、将来音楽家として高い給料をもらえる可能性が開ける。

 英語ができれば、外交官になって海外勤務することも夢ではない。卓球は、北朝鮮のレベルが高く、国際大会への出場も可能だ。

 チュ記者は、「金持ちは、さまざまな塾の費用に月平均50ドル程度使っているようだ」と推測している。

卓球場、美容室なら北朝鮮ビジネス成功間違いない

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 3回のシリーズで伝えた、平壌の赤い貴族たちの生活ぶり。彼らを対象にビジネスを始めるとすると何ができるのか。本の最後に列挙されている。

 チュ記者が推す北朝鮮での有望事業は、意外にも身近な卓球場開設だ。

 国を挙げて卓球ブームなので、難しい手続きなく、簡単な設備でたくさんの顧客が集まる。金も稼げるはずだという。バレーボール場も有望だ。

 他には美容室、女性向けのアクセサリー製造販売なども人気が出るとチュ記者は書いている。女性に余裕ができているのだ。

 国際的な制裁を受けている中で、北朝鮮の人たちはどうやって、金を稼ぎ、韓国顔負けの消費生活ができるのだろうか。

 一口では語れないものの、事業を興す人もいる。チャンマダンという全国400か所を超える市場での商売や、アパートの入居権などの売買も金を流通させている。

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