この2つの企業は、北朝鮮国内に37の衣料品専門工場を共同で運営している。編み物専門工場、2つの手編み工場、1万8000人の労働者が働く専門家養成所などがある。

 国連安保理傘下の専門家パネルによれば、Ponghwa社は、対外経済に関連する内閣の委員会の傘下にあり、米国の経済制裁の対象としている「金剛銀行(금강은행)」に関連している。

 Daesong Trading社は、北朝鮮の指導者のために収入を生み出すことを任務とする39号室傘下にあり、米国および国連安保理の制裁対象だ。
 

北朝鮮製の繊維製品はアメリカ大陸にも

北朝鮮製の繊維製品はアメリカ大陸にも

航行する北朝鮮船舶と船員(著者撮影)

 輸出先は中国だけでなく、ロシア、日本、韓国、ヨーロッパ、南、北アメリカに広がっている。北朝鮮の繊維製品の取り引きをしている代表的な会社は、「Dandong Jinxiang Trade(丹東綿祥貿易有限公司)」だ。同社は2018年に米国から制裁対象に指定されている。

丹東に注意すべきだと警告

丹東に注意すべきだと警告

中朝友誼橋をゆっくりと中国へ向けて移動するトラック

 中国では、貿易データが必ずしもすべて公開されているとは限らないため、貿易の実態が把握しにくいが、この報告書は「北朝鮮貿易に占める丹東の存在を意識し、貿易や金融取引をするさい、注意すべきだ」と警鐘を鳴らしている。

 報告書のダウンロードはここから。

五味 洋治(ごみ ようじ)
1958年長野県生まれ。83年東京新聞(中日新聞東京本社)入社、政治部などを経て97年、韓国延世大学語学留学。99~2002年ソウル支局、03~06年中国総局勤務。08~09年、フルブライト交換留学生として米ジョージタウン大に客員研究員として在籍。現在、論説委員。著書に『朝鮮戦争は、なぜ終わらないか』(創元社、2017年)、『金正恩 狂気と孤独の独裁者のすべて』(文藝春秋、2018年)、近著『新型コロナ感染爆発と隠された中国の罪』(宝島社、2020年・高橋洋一らと共著)など。

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