文科省「差別や除外という立場で制度をつくっていない」

 当事者らの訴えに、文科省担当者(高等教育局学生・留学生課課長)は制度創設時の経緯を説明。「(給付金の下敷きとなった)高等教育の修学支援新制度(2020年4月から実施)では、大学院生も留学生も対象には含まなかった。だが、学生支援緊急給付金については、修学支援新制度よりも対象を広げたいという考えがあり、制度をつくるときは『広く配ろう』という考えであった」と述べた。

 加えて、ヒアリングの場で参加者らから「排除」という非難が相次いでいることに対し、「線を引いて誰かを排除するという考えではなく、高等教育機関という枠の中でどこまで対象とすべきか検討した結果、現在の給付金の対象範囲となっている。『差別や排除という立場で制度をつくっているわけではない』ということは理解していただきたい」と呼びかけた。

出席した国会議員も文科省の対応を非難

出席した国会議員も文科省の対応を非難

朝鮮大学生を給付対象に含めるよう訴える徳永エリ参議院議員(立憲民主党)

 文科省担当者はあくまで朝鮮大学校除外は「政治的差別」ではないことを強調したが、当事者側からは反発の声が上がった。

 藤本泰成氏(朝鮮学園を支援する全国ネットワーク共同代表)は、「実際に差別や除外があればそれは行政や政治の不作為である。それを解決するのが行政や政治の役割」と指摘。

 ルポライターの鎌田慧氏は、「結果的に給付金を支給しておらず、差別となっている。このことは日本人の恥として正していただきたい」と批判した。

 出席した立憲民主党の議員たちも文科省の対応に非難を寄せる。

 岸まきこ参議院議員は、「どれだけ『差別していない』と言っても、現実に差別が生まれているのであれば対策をとっていかなければならない」と訴えた。

 閉会のあいさつをした徳永エリ参議院議員は、「現在の新型コロナ禍は平時ではなく、(国籍に関係なく)みんな大変で深刻な状況である。文科省の皆さんはこのような状況で平時と同じこと言っていてはいけない」と呼びかけた。さらに、菅首相が11月の答弁の中で、「感染状況や経済状況を見ながら(同制度と関連し)追加支援を検討する」と発言したことを紹介。その上で、「(給付金を)検討するのであれば、(次こそは)朝鮮大学校を対象にすべきだ」と強調する。

朝鮮大学生「民族教育は自分が何者であるかを知るために必要」

朝鮮大学生「民族教育は自分が何者であるかを知るために必要」

立憲民主党主催の当事者ヒアリング(衆院議員会館)

 閉会後、参加した朝鮮大学校生(4年生)に話を聞くと、「こういう場を設けていただき、国会議員の方々に私たちの気持ちを直接伝えることができて非常にありがたいと感じている」と感謝の言葉を述べた。

 その一方で、「文科省担当者の『意識的に差別しているわけではない』とでも言うような発言に胸が詰まる思いである。『差別は意識的にするものなのか』という疑問もあり、もどかしさを感じた」と語り、文科省職員に言葉が届いているのか不安視した。

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