日本向けジャケット袖口のボタン付けを北朝鮮で

日本向けジャケット袖口のボタン付けを北朝鮮で

委託していた工場は平壌校外の南浦近くにあったそうだ

 私たちの身の回りで北朝鮮製や“MADE IN DPRK”を目にすることはあるだろうか。まずないだろう。しかし、それは製品としてはとなる。

 21世紀を迎えたころまで日本にも多くの北朝鮮で製造、生産されたものがあふれていたと言うと信じるだろうか。

 国連の経済制裁が実施される前までは北朝鮮産の海産物など日本へ輸入されていたことは今では信じられないかもしれないが、製品としてはどうだろうか。

 実は、日本のファストファッションブランドや紳士服企業が中国の工場で生産し「生産国 中国」として日本で販売していた背広やジャケットの中には北朝鮮で縫製されたものがあった。
 
 主に袖口のボタンの縫い付けや袖口の縫製を北朝鮮の工場で担当し製品ではなく生地素材として中国へ輸送し、背広やジャケットに仕立てて中国製として日本へ輸出していた。

日本→中国→北朝鮮の工場へ委託

 大手ファストファッション企業の中には、自社工場を持たないファブレスで委託生産している企業も少なくない。日本から中国の工場へ委託し、さらに中国の工場から北朝鮮の工場へ再委託するという流れで北朝鮮でも作られていた。

 日本のファストファッション企業から委託されていた中国企業へ出向していたある日本人社員は、ジャケットの袖口縫製を再依頼していた平壌の工場を視察したいと考えて中国の北朝鮮旅行代理店へ相談するも、観光の範疇ではないと断られた。しかし、その代わりに瀋陽の北朝鮮領事館を紹介されたので相談するとビジネスビザを取得すれば視察を許可すると言われてビジネスビザ取得を進めたそうだ。

ビジネスビザを取得して北朝鮮工場視察

 日本人で北朝鮮のビジネスビザを取得するケースは非常に珍しい。北朝鮮のビジネスビザはパスポート1ページを埋めるキラキラな加工が施された鮮やかなデザインだ。
 
 日本人男性は中国企業名義でビジネスビザ取得を進めていたが、日本の本社から待ったがかかり申請を取り消したという。

 万が一、マスコミなどへ漏れると委託元である大手ファストファッション企業へ影響がおよぶことを恐れたのかもしれない。

 まだまだ先は見えてこないが北朝鮮への経済制裁が緩和や解除されたら再びこのような日中朝での分業が復活するだけでなく、もしかすると、日本人がMADE IN DPRKの衣類を身につける日が訪れるのかもしれない。

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