しばしば飛び出す“日王”発言

しばしば飛び出す“日王”発言

姜昌一駐日韓国大使 出典『ハンギョレ新聞』

しばしば飛び出す“日王”発言

 姜昌一駐日韓国大使は、一昨年10月に「韓国では“日王”と呼ぼう」と発言するなど韓国国内を意識したとみられる言動を発し、公の場でもしばしば“日王”と発言している。

 “日王”は、韓国のローカル呼称で90年代に入ってから登場した天皇を侮蔑する呼び方だ。つまり、“日王”の歴史は30年ほど足らずとなる。

 韓国では80年代まで天皇と表記していた呼称が“日王”へ置換した背景については、諸説があるが政治の民主化との相関性が指摘される。

 韓国はこの時期に今に続く慰安婦問題や日本海呼称問題など相次いで発生しており韓国の民主化と何かしらの関係があるとみられる。

筋を通して信任状捧呈式を辞退しては?

 日本としては、逐一厳重に抗議するべきだろうが、思想の自由なので、韓国人が天皇を“日王”呼ぶのは自由だし、天皇や皇室へ敬意を払わないのもまた自由である。

 であれば、筋を通してほしい。

 新しく着任する大使は、皇居で天皇へ信任状を奉呈する。これは信任状捧呈式と呼ばれ、天皇の国事行為の1つだ。各国大使は、信任状捧呈式を経て正式に外交活動を行うことができるようになる。

 信任状捧呈式のために皇居へ参内するときには、各国大使館から自動車か東京駅からの儀装馬車を選ぶことができる。多くの大使は歴史ある馬車を選択するという。それくらい栄誉なことだと認識されている(昨年からは新型コロナウイルスにより馬車は休止中)。

 姜昌一大使は、一体どんな顔して天皇へ信任状を奉呈するのだろうか。韓国向けに筋を通して辞退してはどうだろうか。万が一、信任状捧呈式で笑みでも浮かべようものなら韓国マスコミや国民からの猛バッシングは必至なのではなかろうか。

元々韓国に無関心だった日本人が韓国嫌いになった理由

 68歳の姜昌一大使は、東洋史の学者で日本史にも精通しているという。それならば、韓国は、建国後1980年代後半まで“日王”なんて呼称が一般的ではなかったことは、体験的によく知っているはずだ。

 さらに知日派であれば、天皇や皇室が日本人にどのように思われているかも知っているのではないだろうか。天皇や皇室を敬うかは日本人でも自由であるが、2019年4月の『朝日新聞』の世論調査で皇室に親しみを持っているが76パーセントになっている。あの朝日新聞の調査でだ。

 韓国政府は、それまで韓国に親近感を持っていた日本人だけではなく、韓国に特別な関心がなかった日本人たちまで、韓国に対して親しみを持たなくなったのは、不法占拠が続く竹島や慰安婦、徴用工、旭日旗、東海呼称問題でもなく、度重なる“日王”発言や天皇を侮辱する言動が苗床になっていることを認識しているのだろうか。

 多くの日本人にとって天皇を侮辱されることは、禁忌に触れることを意味することを姜昌一大使であれば、きっと熟知していると思うのであるが…。

 あの連合国軍総司令部(GHQ)ですら占領統治を始めて早期に気づいて天皇を活用する方向へシフトさせたくらいだ。

 そもそも天皇を“日王”と呼び続けることは、韓国の揺るがすことができない国是とでも言うのか。甚だ疑問だ。
 

著作権侵害の海賊版に関与?

 他にも姜昌一大使は、大きな問題を抱える。東京大学在学時代に集めた日本の絶版書籍を版元に無断で韓国で書籍発行(つまり、著作権を侵害した海賊版)したと告発した日本の会社を訴訟し敗訴している。

 この訴訟には、姜大使は直接関わっていないようだが、当然、事態は把握しているはずだ。現時点まで、姜大使から無断盗用した版元へ謝罪も説明もしていないようで、この件をもって法令遵守の認識が希薄なのではとの疑念を持たれている。姜大使がこの問題もどう落とし所をつけていくのか合わせて注目していきたい。

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