禁煙効果を高める栄養卵や健康茶

禁煙効果を高める栄養卵や健康茶

禁煙効果促進のため健康食品やサプリに注目が集まっている

 北朝鮮の海外向けウェブサイト「メアリ」が、北朝鮮の禁煙への取り組みとして禁煙研究センターの活動を紹介している。メアリは直訳するとエコーのこだまなので、以下はこだまと表記する。

 北朝鮮は昨年11月4日に「禁煙法」を採択した。これは2005年に採択された「たばこ統制法」より厳しいものになっていて、駅や教育機関、医療施設、映画館、劇場など公共性が高い場所や生活関連施設での喫煙を禁じ、違反者には罰金も科すと朝鮮労働党機関紙・労働新聞は報じている。

 こだまの記事では、まるで呪符のように無数に貼られた禁煙マークを強調しつつ、まず、薬草を主成分とする禁煙のための栄養卵を紹介する。人体に害を与えることなく、たばこの害を軽減させることができる健康食品とのことだ。

 続いては、ジュヨム茶。昔から朝鮮民族が治療などに広く使ってきたジュヨム(樹木)の有効成分を特許技術の抽出法で抽出し製造する天然由来の健康茶。ジュヨム茶を頻繁に飲むと禁煙効果を促進させると紹介。

 いずれも科学的な根拠や数字は示されていない。

禁煙法による健康意識向上をアピール

 さらには、たばこが原因で黒く変色したり、壊死したとされる歯茎や足の指先などを眉をひそめながら見る男女を掲載。よくタイやフィリピンなどのたばこのパッケージに一定割合の表示が義務化されているグロテスクな写真と同じだ(タイのほうがもっと醜怪)。

 その後は、白衣を身にまとった研究員が禁煙食品を説明したり、「未来のためのたばこをきっぱりと壊そう」と幼子を抱き上げる母親のポスターを指差し禁煙の大切を説き、機械での健康診断と指導風景を紹介している。

 禁煙研究センターでは、禁煙製品の開発とさらなる啓蒙活動を通じて人民の健康で文化的な生活へ積極的に貢献している。と記事を結ぶ。  

 今回のこだまの記事は、禁煙法の成果と健康意識の高まりを国外へアピールしたいのだろうか。

劇場で喫煙する金正恩氏は法を超えた超越者か

劇場で喫煙する金正恩氏は法を超えた超越者か

1年ぶりの動静が注目された李雪主氏と喫煙する金正恩総書記(提供 コリアメディア)

 2月16日、北朝鮮は2大祝日の1つである光明星節(金正日総書記の生誕日)を祝う芸術公演へ李雪主氏が鑑賞したと報じた。李雪主氏の動静が伝えられたのは、1年ぶりだったため日本でも大きく報じられた。
 
 日韓メディアでは、1年ぶりに公の場に登場した李雪主氏へ焦点が当てられたのだが、隣りにいる金正恩総書記の指先には、たばこが確認できる。赤く見えるので火がついていると思われる。

 さらに17日付の労働新聞2面の8枚カット写真には、ガラスのような灰皿らしきものも写っている。

 禁煙法では劇場は禁煙対象施設となる。

 金正恩総書記は、北朝鮮研究者が指摘するように憲法より上位に位置する朝鮮労働党のトップであるため、法どころか、憲法をも超越した存在ということなのだろう。

 それでも北朝鮮人民の目を意識してか、北朝鮮の国営テレビなどでの金正恩総書記の喫煙シーンの登場回数は減っているとの分析もある。今後も喫煙場面は減っていくのだろうか。

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