北朝鮮男性の喫煙率45% ・女性2.5%?

北朝鮮男性の喫煙率45% ・女性2.5%?

男性の喫煙率が高いとされる北朝鮮

北朝鮮男性の喫煙率45% ・女性2.5%?

平壌の市民生活が変化するも北朝鮮への鉄板土産はタバコ(1/2)の続き。

 信用できる統計は存在しないが、韓国『中央日報』が2019年3月5日に報じた記事(【コラム】愛煙家の金正恩委員長」)によると、「世界肺がん財団」の資料(2014年)で、北朝鮮の男性の喫煙率は45パーセント、女性は2.5パーセントとなっている。いずれも北朝鮮の報告に基づいて算出されたものとのことだ。

 中央日報は、この統計に疑問を投げかけている。世界保健機関(WHO)の統計を引用して、北朝鮮は肺がん発生率が、世界186か国で12位(韓国38位)、死亡率7位(韓国59位)といずれも高いと指摘する(統計年度の言及はなし)。

 ちなみに、同じWHO発表の2018年の喫煙率統計によると、韓国人男性40.9パーセント、女性6.2パーセント。日本人男性33.7パーセント、女性11.2パーセント。中国人男性48.4パーセント、女性1.9パーセント。この統計では、北朝鮮は男女ともに結果なしとなっている。

経済成長で急速に禁煙が進む喫煙大国中国

 日本の「国立がん研究センター」では、日本人男性29.4パーセント、女性7.2パーセント、男女計17.7パーセント(2017年)と発表しているなど、喫煙習慣の定義が異なっているのか数字にばらつきが見られる。https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/smoking.html

 2000年代前半の中国なのでさらに正確な統計とは言い難いが、成人男性の8割強が喫煙者だったという現地新聞記事も存在する。現在も比較的に安価に買える中国ですらも経済発展によって健康志向の高まりから急激に喫煙率が低下し、分煙化も進み、禁煙する人も増えている状況なのだ。

 中国は、つい10年ほど前まで、タクシーはタバコ臭く、分煙されていなかった駅舎内のは煙で白く霞んでおり、タバコは街中どこでも自由に吸えるような愛煙家にとっては天国のような状態だった。それが、今では地方都市も含めて多くの都市でタクシー内は原則禁煙、駅舎や空港には喫煙室が設置されて分煙されている。もっとも、まだまだルールを守らない人も少なくはないが、ものすごいスピードで分煙化が進み、禁煙する人も増えているのは事実だ。

日本もつい最近まで喫煙大国。今後、北朝鮮も喫煙率低下?

日本もつい最近まで喫煙大国。今後、北朝鮮も喫煙率低下?

QRコード付き北朝鮮タバコブランド「太陽」

 日本でも高度経済成長の時代など勤務中はもちろん、列車内、飲食店どもどこでも当たり前のように喫煙していた時代を思い出せば、似たようなものかもしれない。

 昔のドリフ(「ザ・ドリフターズ」)のサラリーマンコントを見ると、喫煙している場面が多いし、映画の会議でのシーンや記者会見でも普通にタバコを吸っている映像が残っている。

 一般的に喫煙率は、経済発展と反比例する相関関係があるとされる。北朝鮮が今後、経済発展していけば、「セブンスター」が、男性に喜ばれる土産の不動の1位から転落する日も遠い未来の話ではないのかもしれない。

 ちなみに、現時点では、北朝鮮への「アイコス(iQOS)」など加熱式タバコを含む電子タバコの持ち込み制限はない。もしかすると、今、中国の富裕層を中心に大ブームとなっているアイコスが今後、北朝鮮でも大人気となり平壌の街中でも電子タバコを手にする光景が見られるようになる日が訪れるのかも。

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