米韓首脳会談で北朝鮮や中国などを協議

 5月21日(日本時間22日)、訪米中の文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領がジョー・バイデン米大統領とホワイトハウスで初めて会談した。バイデン大統領が就任後に外国首脳と対面会談するのは、4月に会談した菅義偉首相に続いて2人目となった。

 会談後には文大統領とバイデン大統領は、共同記者会見を開き、米韓共同声明を発表した。両国の発表によると、会談での主なテーマは、1.朝鮮半島の非核化と対北対話、2.米国の北朝鮮担当特使任命、3.日米豪印の連携枠組み「クアッド」活用、4.台湾海峡の平和と安定、5.新型コロナワクチン供給の強化であった。

 バイデン大統領は会談冒頭で、「我々の協力は、世界的にも重要な地域で、平和と安定を維持するために必要不可欠。新たな課題に立ち向かうために米韓の関係を発展させたい」と語った。

トランプ前政権のシンガポール合意を継承

 今回の米韓会談で注目されたのは、やはり北朝鮮をめぐる合意である。両首脳は北朝鮮の核問題を巡って、段階的な非核化を目指す米国の新しい対北朝鮮政策「現実的なアプローチ」方式を共有したと表明。

 共同声明では、2018年の「板門店宣言」(4月南北会談)や「シンガポール合意」(6月米朝会談)など、「南北・米朝の約束に基づく対話が朝鮮半島の完全な非核化に欠かせない」としている。

 バイデン大統領がトランプ前政権における米朝対話の合意を継承することを認めたのは大きい。また、北朝鮮が主張する「朝鮮半島の非核化」との表現が使われ、「北朝鮮の非核化」とはしていない点にも注目だ。

 一方で、バイデン大統領は会見で金正恩氏との首脳会談について、「非核化について協議するという約束があれば会談できる」と強調。米朝対話のためには、北朝鮮が非核化に向けた取組計画を示すことなどが前提であると慎重な姿勢を示した。

 なお、北朝鮮への対処には「日米韓3か国での協力が基本」としている。

空席だった北朝鮮担当特使にベテラン起用

 記者会見では、バイデン大統領がソン・キム国務次官補代行(東アジア・太平洋担当)を北朝鮮担当特使に任命したことも発表している。北朝鮮担当特別代表は、今年1月に前任のスティーブ・ビーガン国務副長官が退任してから約4か月間空席となっており、ようやく後任が決定した形だ。

 キム氏は2008年からの北朝鮮の核問題を議論する「6者協議」では首席代表を務めた。トランプ前政権では2018年6月の米朝首脳会談に関与し、7月のマイク・ポンペオ前国務長官の訪朝にも同行するなど、対北外交の経験が豊富なベテランである。北朝鮮との外交を進めるのであれば適切な起用だ。

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