日米韓での協力を継続する共同声明も

日米韓での協力を継続する共同声明も

米韓2プラス2 出典 U.S. Department of State [Public domain], via Flickr

 4月5日の韓国・聯合ニュースの報道によると、韓国国防部報道官が中韓関係について「強化する契機になる」と会見で見方を示したという。外交・安全保障に関して両国が協力関係になる旨の見通しを示したものとみられる。これに対して、米国はどのような反応を示したのか。2プラス2での発言内容などから、韓国が米国と中国の板挟みになっている現状が浮かび上がってくる。

 そもそも2プラス2とは、安全保障や防衛に関する大臣らの会談をいう。韓国で言えば鄭義溶(チョン・ウィヨン)外交部長官(日本の外務大臣相当)や徐旭(ソ・ウク)国防部長官(防衛大臣相当)が対象だ。「外務・防衛担当閣僚会合」とも呼ばれる。

 先月18日にソウルで開催された2プラス2では、北朝鮮の非核化や日本を含めた韓・米・日の3国で安全保障分野での協力を継続するとの共同声明を発表した。

アメリカと距離を置くと韓国メディア分析

 今回、2プラス2が行われるにあたって、米国が抱く中国への警戒心が大きく現れるだろうとみられていた。しかしながら、時事ドットコムでは、共同声明に中国への言及はなく、米国だけではなく中国とも関係がある韓国を「配慮した形となった」と報道。ハンギョレ新聞もこの点に触れ、米国のアントニー・ブリンケン国務長官が中国について「攻撃的かつ権威的な行動がインド太平洋地域の安定と安保および繁栄にどんな困難をもたらしているのかについて議論した」と明かしたとした。ところが、鄭長官は韓国にとって米中どちらとも重要な国だと話し、ブリンケン長官とは「距離を置いた」と分析している。

経済面で韓国は中国依存が高まり圧力に怯える

 韓国が中国に配慮した理由として、経済面で中国に依存している点が考えられる。中央日報によれば、新型コロナウイルスの影響で2020年の韓国全体の輸出額は減少しているという。しかし、中国への輸出比率は半導体や鉄鋼などを中心として前年の25.1%よりも大きくなって25.8%に上昇している。この状況であれば、中国からの経済報復されれば韓国経済の影響は計り知れず、韓国は報復を恐れるはずである。

 もし、韓国が中国に対して厳しい態度で出ようものなら、中国はすかさず韓国に経済的な制限をかけてくるだろう。それに加え、中国は米国と同盟国であるという理由で韓国に狙いを定め、北朝鮮関連の協力などを匂わせながら、米国から離れるよう圧力をかけ続けるはずだ。

 このように、韓国は米国と中国の板挟みにあいながら対応を迫られているのが現状である。韓国としては、両国とのメリットを考慮した上で、米中を刺激することなく“なあなあの付き合い”をするしかなくなっている。果たして、米国・中国はそれを許してくれるのだろうか。今後の双方に対する韓国の態度にも注目が集まるだろう。

小林 英介(こばやし えいすけ)
ライター。ウェブメディアで便利グッズから政治に至るまで幅広く執筆している。現在は「ピコピコカルチャージャパン」で連載中。過去の執筆媒体は「公務員総研」「まいどなニュース」など。
@chimata_score8i

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