「女性家族部は、軍事独裁政権と同じだ」

 当時はそんな批判がわき起こった。70~80年代の軍事政権下で、長髪やミニスカートを取り締まったことに引っ掛けての皮肉である。
 

文政権で登録団体数が倍増。強力な支持母体に

 評判の良くない女性家族部を廃止するべきという声は、政界でも日増しに強くなっていた。しかし、文在寅(ムン・ジェイン)政権の誕生により風向きは変わる。“フェミニスト大統領”を標榜する文大統領は、女性家族部を廃止するどころか組織を拡充して予算も増やした。これにより女性家族部から資金援助を受ける市民団体が次々に設立され、登録団体数は1278団体から2295団体にほぼ倍増。政権の強力な支持母体ともなっている

 フェミニズムを標榜する現大統領やその支持勢力に堂々と反旗を翻し、これに反感を持つ人々からの支持を集める。政権奪還を狙う国民の力からすれば、最良の手段なのかもしれない。次期大統領選挙はフェミニストと反フェミニズムの戦いになる、か。

青山 誠(あおやま まこと)
日本や近隣アジアの近代・現代史が得意分野。著書に『浪花千栄子』(角川文庫)、『太平洋戦争の収支決算報告』(彩図社)、『江戸三〇〇藩城下町をゆく』(双葉社新書)などがある。

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