「白象を食べよう」

「白象を食べよう」

高級スーパーフーマーフレッシュに並ぶ辛ラーメンと康師傅の袋麺

 韓国・農心のインスタントラーメンから発がん性物質検出を巡り中国のSNSには、「白象を食べよう」「白象支持」「韓国製不要」などのコメントが目につく。

 白象とは中国の即席麺製造企業である。直近の統計を見ても中国国内シェアは15%前後だと推測される中堅メーカーだ。

 今回の農心騒動を利用して、韓国企業である農心を中国のインスタントラーメン市場から排斥する動きへ発展する可能性があると中国朝鮮族の貿易会社代表は話す。

 農心を排斥する理由は、現在、中国政府が掲げる「双循環」という政策に関係している。双循環は、外国企業への依存を減らし、内需を基礎とした経済発展を目指すというもので、2021年からの経済目標である「第14次5か年計画」の核となる政策となっている。

農心の中国国内シェア5%(推定)

 中国の即席麺市場は、康師傅が全体の50%前後を占め他社を圧倒している。シェアで続くのが統一、今麦郎、白象などとなっている。外資系企業では、日清食品や農心があるが、どの統計を見ても残り10%にカウントされている。農心が5%前後、日清は3%くらいではないかとみられる。

 シェア5%ほどの辛ラーメンの農心を排除しても、中国の内需への貢献は微々たるもので意味がないように思われるが、「中国では禁止する理由があれば、すぐに排除できますし、逆に全体の5%くらいなら大きな反発もなく容易に進められますよ」(朝鮮族貿易会社代表)

 シェア5%とは言え、辛ラーメンは、中国全土のスーパーマーケットやコンビニエンスストア、個人商店に至るまで見かけることができる。中国在住の日本人は、康師傅の3倍くらいして、どこでも売っているわけではない日清よりも、1、2元(約17円、34円)高いが、康師傅よりは、はるかに美味しく感じる農心の即席麺を食べる人は少なくない。いわば消極的な選択という感じだろうか。

中堅ブランド白象を応援する理由

 「白象は低価格帯なので、低所得層や学生などがよく食べるのですが、中国では『民族ブランド』として認識されています。即席麺版のファーウェイのような存在です」(上海の中国人)

 これには理由がある。シェア1位の康師傅と統一は元々台湾企業を母体としてスタート。現在は本社を中国に置き台湾色を薄めているが、台湾の会社と認識している中国人は少なくない。また、今麦郎は2015年まで日清との合弁会社だった。

 このたりも影響して、味はともかくとして、民族ブランド白象を応援しようという声が上がってくるのではないだろうか。この声が中国政府によって人為的に生み出されて拡散されている可能性も否定できない。

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