個人での海外旅行解禁と隔離期間短縮のうわさ

個人での海外旅行解禁と隔離期間短縮のうわさ

団体・個人を問わず海外旅行を禁止を継続する中国政府

 中国政府は、新型コロナウイルス流行後、海外旅行を事実上禁止し、国内旅行も大きく制し、旅行会社が収益を上げられる状況ではない状態が続いている。

 中国人の観光目的の出国は個人、団体問わず禁止。入国後は1か月近くの自費での強制隔離が待っている。

 中国の旅行会社の中では、あるうわさがあった。

 上海の2か月間にも及ぶ都市封鎖(ロックダウン)が解除されるタイミングの「6月1日から個人での海外旅行解禁と入国後の隔離日数が短縮される」という内容だった。

 しかし、6月も10日近く経った現時点でも解禁どころから、一部緩和の発表もない。完全なぬか喜びだった。

 中国出境游研究所(中国アウトバンドツーリズム研究所・COTRI)によると、2019年、中国人海外旅行者は1億7000万人いた(香港・マカオ含む)。海外渡航先最多はタイ約1099万人(タイ観光・スポーツ省)で、次は日本約959万人(日本政府観光局)となっていた。

 COTRIの2020年12月の予測では、20年の中国人の海外旅行者は約1800万人だったが、21年1億人を回復し、22年は19年を上回る1億8000万人に達すると発表していた。

 実際は、21年は20年の半分ほどとなり、そのほとんどが香港、マカオだった。

個人旅行を解禁した韓国

 日本は、10日から外国人観光客の入国を団体旅行に限り再開される。

 感染リスクに応じて、青、黄、赤の3つに分け、青であれば、ワクチンの種類不問、さらには、接種なしであっても入国後の隔離が免除される。

 中国は、青に含まれているので、団体旅行であれば、接種ワクチンが中国製であっても隔離なしとなる。

 中国製以外のワクチンが接種できない中国人にとっては、この点は非常に大きいのであるが、中国側が観光目的の出国を禁止したままなので、現実的には日本へは行けない。

 そこで、旅行会社は、個人の観光出国解禁のうわさに期待したというわけだ。

 日本の代わりの候補となったのは、1日から個人旅行を解禁した韓国だった。

 中国国籍者は、済州島のみビザなしで入国できるが、ソウルへ行くならビザを取得する必要がある。

 個人旅行だと旅行会社の利益は少なくなるものの、ビザ取得代行やホテルの手配などで少しでも稼ごうと準備をしていたようだ。

 しかし、冒頭で紹介した通り、個人の海外旅行は解禁されず、入国後の隔離期間も現状のままとなった。

旅行会社を全滅させたい中国政府?

 「1週間観光して戻ったら旅の4倍の期間の28日自費隔離だったら誰も行かないですよ。政府は(民間の)旅行会社を1度すべて潰して整理したいのかもしれませんね…」(山東省青島の旅行会社)
 
 旅行会社の従業員は仕事柄、海外の人間と接点を持ちやすい。中国政府は、海外から良からぬ情報や思想、文化を持ち込むことを強く警戒して目を光らせている。

 新型コロナを口実に旅行会社を一掃したいという思惑は、あながち冗談とは言い切れないないのだ。

あらゆる手段を使って「脱中」を目指す動き

 2019年の中国人旅行者1億7000万人のうち半分近くが香港、マカオだったが、両都市への渡航は、現在も厳しく制限されている。

 そうなると、消去法的に行き先は国内となるのだが、旅行会社が手配する国内ツアーは市内や省内限定など大幅に制限されていてほぼ禁止に近い。

 また、韓国の立場から見ると、日本の受け皿で中国からのインバウンド観光客を期待していたが、韓国も中国人旅行者ゼロとなりそうだ。

 「富裕層は日本へ出張などの名目で入国し、先に長期滞在している親族らを頼り、ビザを切り替えて、そのまま長期滞在する人も増えつつあります」(同)

 どうやら、日本も韓国も中国人旅行者は、しばらくゼロの状態が続きそうであるものの、中国では、あらゆる手段を使った「脱中」を目指す人たちが増えているようだ。

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