習近平氏の最後の実績作り

習近平氏の最後の実績作り

3月にロックダウンを実施した深センの地下鉄

 「旅行業界はボロボロですが、今年秋の党大会まで今の状態維持じゃないでしょうか?」

 とため息をつきながら話すのは、遼寧省瀋陽の旅行会社代表L氏。

 中国共産党は、今年秋に5年に1度の党大会を予定しており、習近平国家主席が集団指導体制移行後では初となる3期目続投が決まるかに注目が集まる党大会となる。

 北京冬季五輪・パラリンピックを終えた今、自慢のゼロコロナ政策をさらに強力に進め最後の実績に利用しようとしているようだ。

 中国のゼロコロナ政策はこの秋まで続く。

 「国内団体旅行は、もちろん、国外への団体旅行などの解禁も早くて党大会以降になるのでは?」と瀋陽の旅行業関係者内ではみられているようだ。

 再開へ向けて準備を進めるだけと話すも、すでに2年以上、中国全土の旅行会社は、ほぼ営業できていない状態が続いており、廃業や業態転換した旅行会社は多く、仮に旅行業が解禁されてもコロナ前の半分も戻ってこないと、L氏は悲観的な見方を示す。

日本の発表定義だと新規感染者1万3146人の中国

 平壌への直行便や北朝鮮領事館もある瀋陽では、再び新型コロナウイルスの陽性者が増えて規制強化されている。

 中国当局の発表によると、中国本土での2日の新規感染者は1455人。中国の定義で感染者にカウントしない新規陽性者は1万1691人。

 ここでの新規陽性者とは、日本で言うところの無症状感染者を指す。最近は無症状感染者が増加傾向にある。
 
 同日の瀋陽は、新規感染者2人。新規陽性者33人が確認されている。

 中国の統計は、すべて中国共産党のためのものなので、統計を都合よく操作することは朝飯前だ。そのため、いずれの統計も参考程度と考えるのが良い。
 
 日本から瀋陽空港への直行便も運行されているが、瀋陽は、入国後に35日間隔離を実施している。

 隔離期間35日間は現在、中国1長いとみられる。

 正確には、21日間のホテルでの強制隔離。自宅が隔離先として認められた場合は、自宅へ移動し14日間の隔離継続。

 もし、自宅隔離が認められない場合は、そのままホテルで連続35日間隔離生活を強いられることになる。

シーラカンス化したゼロコロナは日本にチャンスを?

 1日の新規陽性者数が世界最悪水準で高止まりしている韓国ですら、ウィズコロナへ移行へかじを切り、日本も参議院選挙前の6月頃には、政治的に新型コロナのパニックへ終止符を打ち、感染対策を大きく転換させるのではと指摘されている。

 東南アジアでは、タイ、フィリピン、ベトナムに続き、シンガポール、マレーシアなどもワクチン接種などを条件に入国後の隔離を撤廃し、観光客の受け入れ再開へ動き出している。

 この中国国外の感染対策の緩和や観光業の再開についてどう思うかL氏に聞いてみると、

 「中国の感染対策は政治問題でもあるので、急な転換は難しいでしょうね…。早く緩和してもらって遅くても今冬は、日本へのスキーツアーを企画したいですね」

 今や世界的には、シーラカンスのようになりつつ中国のゼロコロナ政策を本当に秋まで維持されるのであろうか。

 そうなると、中国経済への影響は大きく、国際的なプレゼンス低下をもたらすことも予想される。

 逆に言えば、日本にとっては、チャンスになるのではないだろうか。

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