18年酒乱慶大生ら・杉本氏拘束。19年豪人男性留学生拘束

18年酒乱慶大生ら・杉本氏拘束。19年豪人男性留学生拘束

慶大生らが泥酔しケンカして破壊した高麗ホテルの創業記念模型(修繕後・19年撮影)

 金鳥の夏、日本の夏ではないが、拘束の夏、北朝鮮の夏がこの数年は続いている。今年は新型コロナウイルスで外国人観光客を停止しているため観光客が1人もいないので拘束事件は発生していない。

 日本で話題となった拘束騒動は、2018年8月7日、観光で訪れていた慶應義塾大学と自称東海大学の日本人男子学生が泥酔しケンカとなりホテルの創業記念模型を破壊する騒動を起こす(長期拘束されることなく一部の修繕費を払い日程通り出国)。同月11日には、観光で訪れていた杉本倫孝氏の拘束が判明し、こちらは日本でトップニュースとなり大騒ぎとなった(28日に国外追放で出国)。

 2019年6月25日にオーストラリア人留学生アレック・シグリー氏がスパイ容疑で拘束され、7月4日に国外追放となり無事出国した。アレック氏は、北朝鮮旅行の代理店「トンイル・ツアー」の代表者でもあったが、同社は氏の国外追放で営業を停止している。

騙されたと主張し武勇伝を語るような慶大生

 18年の事例は、時系列的には上記の通り学生の泥酔破損騒動、杉本氏となる。しかし、前者は、拘束されずそのまま出国したので北朝鮮側から手配した旅行代理店へ連絡があったのは、11日前後だったため(邦人拘束報道で)代理店は学生らが拘束かと確認に追われることに。

 当時大学3年生だった慶應義塾大学と自称東海大学の学生は留年していなければ今年、卒業している。どんな気持ちで働いているのだろうか。直接、インタビューした内容を伝えている『週刊新潮』の記事(慶大生が「北朝鮮ツアー」で酔って大暴れ 弁償めぐりトラブル)を読む限りは、北朝鮮のガイドに騙された。北朝鮮側が悪いと考えているようで反省の色は感じさせない。おそらく、周りには、「自分たちは悪くないのにひどい目にあった。北朝鮮はとんでもない国だ」と幼稚な武勇伝のように語っているのかもしれない。

19年3月からツアー申請時に学生証提示が必須に

 今回は、これらの事件が与えたであろう事後影響について考察してみたい。

 大学生らはカラオケで泥酔し、しかも2人でケンカを起こし貴重なホテルの創業記念模型の一部を破損という前代未聞の騒動を起こしている。北朝鮮でもっとも格式あるホテル、いわば国の顔と言える「高麗ホテル」でだ。ホテル責任者は管理責任を取らされたと思われる。

 騒動を起こしたのが大学生であること。しかも、請求した修繕費(2000ドル)を踏み倒したこと(全額代理店が肩代わり)で、日本人学生の訪朝希望者の審査が強化された

 翌2019年3月からは、学生(大学生・大学院生・短大生・専門学生)、生徒(中高生)はツアー申し込み時に学生証の提出が始まった。

(続く)

参考サイト
アレックの朝鮮回顧録ハーバー・ビジネス・オンライン

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