新型コロナの影響で入国審査厳格化の流れが中断

新型コロナの影響で入国審査厳格化の流れが中断

板門店など代表的な観光地には中国人旅行客でごった返している

夏の平壌で起こる騒動・拘束事件 日本人の北朝鮮入国審査がさらに厳しく(1/4)の続き。

 19年は社会人の身分証提出は見送られたが審査強化の流れは続いており、北朝鮮は19年秋、各代理店へ対し手配希望者の事前スクリーニング強化の通達を出している。現実的には、代理店が電話やオンライン等で個別面談をするわけではないのでスクリーニングには限度があるのは言うまでもない。しかし、通達に従い各社、同意書や事前説明を増やすなどトラブル防止対策を講じている。 
 
 社会人向けの身分証提出は2020年3月から開始かとも予想されていた。しかし、新型コロナウイルスの影響で今年の観光は全面停止されているため発表されていない。観光業再開後も2、3年は旅行需要は回復しないとの見立てもあり、北朝鮮にとって重要な外貨獲得の手段である観光業にも影響を与えそうだ。

 仮に日本人の社会人向けに身分証提出を始めると当然ながら日本人訪朝者は減ることになる。数年は落ち込みが続くであろう観光業での外貨獲得のため日本人訪朝者は減らしたくないのは北朝鮮の本音だろう。もしかすると、新型コロナのおかげで、社会人向けに身分証提出はしばらく延期されるかもしれない。

以前ほど日本人観光客を重要視していない

 しかし、こんな話も聞かれる。

 「(北)朝鮮は以前ほど日本人観光客獲得を重要視していないのではないでしょうか。中国人観光客が激増し、夏場には断るほど参加者が増えています。確かに日本人は中国人旅行者と比べると3倍ほどの旅費ですが、少人数のため経費はかかります。それでも1人あたりの利益では2倍以上は稼げるかと思われます。たとえば、弊社だけでも年間1万人ほどの中国人が朝鮮旅行をしているので全中国人(推定20万人ほど)の旅費を1人1パーセントでも上げれば、日本人が減った分の利益は余裕で補えますから」(中国丹東の旅行代理店)
 
 酒乱大学生らの影響は、2018年9月以降、日本人が高麗ホテルへ宿泊できなくなったり、19年春に宿泊再開されたあとも、修復された模型を見ながら現地ガイドに日本人の大学生が酔っ払って暴力ふるって壊したんですよと説明されて恥ずかしい思いをしたりしている。

 『週刊新潮』の読むと、北朝鮮の物価を考えると現地で払った(半ば無理やり全額取られたと主張)金額で十分だも分からなくもない。しかし、それは張本人のセリフではない。

 慶應義塾大学と自称東海大学の男子学生が訪朝している同時期に平壌に滞在していた朝鮮中高級学校の関係者がホテルなどで会ったことを覚えていた。なぜ覚えていたかというと、北朝鮮を訪れるにしては奇抜な容姿だったからだ。

(続く)

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