金与正党第1副部長の所属はいまだ不明。今後金正恩委員長のメッセンジャーを担う可能性も

金与正党第1副部長の所属はいまだ不明。今後金正恩委員長のメッセンジャーを担う可能性も

2019年6月金大中元大統領夫人死去に際し代表して韓国側に弔辞を送った金与正氏(提供「コリアメディア」)

 党の部署ごとに「副部長」のポストがある中で、実は金与正氏が現在どこの部署の第1副部長なのか明らかになっていない。
 金与正副部長は、昨年12月末の党中央委員会第7期第5回全員会議で第1副部長に就任したものの、所属などはその後も不明なままである。

 今回の2つの談話でも「金与正第1副部長」としか記載がなく、所属は判明しなかった。

 以前と同様に「党宣伝扇動部」を務めているか、もしくは、さらに上位の部署とされる「党組織指導部」に異動した可能性があるが、いずれの部署であっても米国や韓国に関連した談話を発表することは通常あり得ない。

北朝鮮は所管業務が各部署できっちり分担されており、これらの部署は米韓への談話を発表するところではなく「越権」となるからだ。

 そのように考えると、金与正副部長は金正恩委員長の対外メッセージを伝える「報道官」のような役割も別に担っている可能性もある。

国家元首の立場を高めるための硬軟織り交ぜる役割分担か

 たとえば、金与正副部長が3月3日に韓国を強く非難する談話を発表した直後、金正恩委員長が文在寅大統領に親書を送ったことが明らかになっている。金正恩委員長は、新型コロナウイルスで混乱する韓国に対して、「必ず勝ち抜くと信じている」と温かい言葉を送っており、これは国家元首という立場でのメッセージと言える。

 このことを考えると、国家元首としての役割は従来どおり金正恩委員長が担い、外交的なメッセージを送る報道官の役割は金与正副部長が今後担うのではないかとも考えられる。

 金与正副部長の談話は、まだ2つだけなので今後の状況をもとに分析を進める必要があるが、少なくとも金与正副部長が他の党幹部と比べ一線を画していることは間違いない。

八島 有佑

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