日本政府(防衛省)は、「北朝鮮はこの2つの技術をすでに獲得している」と分析し、その上で「弾道ミサイルに核兵器を搭載してわが国(日本)を攻撃する能力をすでに保有しているとみられる」と明言した。

 これまでも防衛白書では、「これまでにない重大かつ差し迫った脅威」(2018年版)、「核兵器の小型化・弾頭化を実現させている」(2019年版)と警戒心を示していたが、日本への攻撃能力にまで言及したのは今回が初めてである。

 この記述はすなわち、「日本が北朝鮮から攻撃を受ける可能性がある」ことを示していると言え、この辺りの記述が北朝鮮からの非難につながっている。

 例え米国などが日本を射程圏内に捉えるミサイルをいくつ保有していたところで、それをもって「日本を攻撃可能である」などとわざわざ記述しない。結局のところ、「北朝鮮が日本を攻撃するかもしれない」という危険意識があるからこその言い回しと言える。

 北朝鮮は、今回の防衛白書に限らず、このような日本側の姿勢を「我が国(北朝鮮)に対する敵視政策」と繰り返し批判しているのである。

 だが、日本の姿勢は明確で一貫しており、北朝鮮からの批判を突っぱねている。今回も防衛白書で「(北朝鮮の核・ミサイルは)わが国の安全に対する重大かつ差し迫った脅威であり、地域および国際社会の平和と安全を著しく損うものとして断じて容認できない」と非難した。

 その上で、「米韓との連携が必要である」と主張するなど北朝鮮への警戒心を緩めていない。
 

「中国が尖閣で執拗に活動」と非難

 次に中国に関する記述である。

 中国に関しては28ページを割いており、北朝鮮よりも分量を割いて紹介されている(白書第1部2章2節)。中国の国防政策や軍事能力、日本海や南シナ海での活動などが詳述されており、中国への警戒心の強さが伝わってくる。

 尖閣諸島をめぐる問題について、「わが国固有の領土である尖閣諸島周辺においては、中国公船がほぼ毎日接続水域において確認」されているとした。

 その上で、「中国は、尖閣諸島周辺において力を背景とした一方的な現状変更の試みを執拗に継続しており、強く懸念される状況となっている。事態をエスカレートさせる中国の行動は、わが国としてまったく容認できるものではない」と強く非難している。

 これまでの防衛白書でも中国の尖閣諸島への侵入について言及していたが、「執拗に」という言葉を使用したのは今回が初めてである。

 なお、2019年中に尖閣諸島周辺の接続水域で確認された中国公船の活動については、「活動日数282日、活動公船数が延べ1097隻」となり、いずれも過去最多であることを明らかにしている。

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