ボルトン回顧録で米国の外交機密を暴露

ボルトン回顧録で米国の外交機密を暴露

回顧録を出版したジョン・ボルトン氏 出典 Chatham House [Public domain], via Wikimedia Commons

ボルトン回顧録で米国の外交機密を暴露

 トランプ政権で国家安全保障問題担当大統領補佐官を務め(2018年4月~2019年9月)、米朝交渉にも深くかかわったジョン・ボルトン氏が執筆した回顧録が波紋を広げている。

 タイトルは『The Room Where It Happened:A White House Memoir』(和訳名「それが起きた部屋:ホワイトハウス回顧録」)。回顧録は約600ページにおよび、分野も多岐に渡っているが、特に北朝鮮やイランに関する記述が多い。

 回顧録に対して米国政府は「数多くの嘘を広めている」(ポンペオ国務長官)など「デマ」と断じているほか、韓国政府なども強く反発している。

 同書を読む前提として、ボルトン氏は今年11月に米大統領選を控えるトランプ大統領を攻撃する目的で書いている。そのためのバイアスや脚色も含まれているだろうから、そのまま情報として鵜呑みにはできない。

 読んでみると、「公然の事実と照らし合わせて整合性はとれている」といった印象ではあったが、関係性以外は信ぴょう性を確認する方法がないのである。

 また、仮に回顧録がすべて真実であったとしても、そもそも国家の外交安全保障機密を暴露することは許されるものではない。やり取りを暴露された各国首脳たちは米国との相互信頼が損なわれた形である。

 いずれにしても職務上の秘密を暴露したボルトン氏に対する不信感は残る。

 そのような前提の上で回顧録を読むのであれば、タカ派として知られていたボルトン氏の評価が随所に挟まれており、ボルトン氏、ひいては米国の対北強硬派の思想性を垣間見ることができる。

ボルトン氏と相いれなかった文在寅大統領

 同書には、金正恩党委員長(北朝鮮)、習近平国家主席(中国)、メルケル首相(ドイツ)、ジョンソン首相(イギリス)など各国首脳が頻繁に登場する。

 その中で、韓国の文在寅大統領に対しては批判的に言及している。

 「すべての外交的ばか騒ぎ(diplomatic fandango)は韓国が作り出したものである。金委員長や米国の戦略ではなく、文大統領の統一戦略(unification agenda)に大きく関連したものであった

 「(北朝鮮が米朝交渉で提案した)終戦宣言は文大統領の統一戦略から出たものかもしれないと疑うようになった」

 「韓国側は、(2018年6月12日の)シンガポールでのトランプ・金正恩会談の後で、文大統領を入れた3者会談を望んでいた(※ボルトン氏は3者会談の必要性を否定)」

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