大同江ビールと米を物々交換?

大同江ビールと米を物々交換?

北朝鮮で売られている現地版の大同江ビール

 21日、韓国で次期統一部長官候補とされる李仁栄(イ・インヨン)議員が、南北での物々交換式の小規模交易を提案したと韓国メディアが報じた。

 報道によると李議員は、国連制裁に抵触しないことを前提に、北朝鮮から「大同江ビール」、白頭山の水。韓国からは、米、医療品を現物交換する形で交易をしたらどうかと提案したという。

 ビール、米、医薬品はいずれも国連制裁の禁輸品目に含まれていないことを念頭に置いた提案だとみられる。

輸送手段が問題

 この報道に対して韓国情報筋は、「やはりアメリカの目が怖い」と話す。いくら禁輸品に含まれていないものであっても北朝鮮との貿易となると理解を得るのが難しく、ビールが人道支援目的になるのかとの指摘も受けそうだ。

 それ以前に輸送手段が問題という。軍事転用される恐れがあるトラックなど陸路での輸送は国連制裁で禁止。船舶や航空機による輸送もアメリカの独自制裁の関係で事前確認や交渉が必要になるだろうとのこと。

 しかし、大同江ビールの輸入については韓国には前例がある。あまり知られていないが、韓国では、2010年ごろまでソウルの一部の店舗で大同江ビールを購入することができた。

正規輸入の前例ありの大同江ビール

 韓国『中央日報」によると、2000年代前半から中国経由で正式に輸入されたものだ(「韓国ビールよりおいしい」…北朝鮮の大同江ビール輸入されるか)。韓国へ輸入されていた大同江ビールは、2008年の李明博政権誕生で規制され多くが姿を消すことになる。しかし、その後も開城工業団地にあった「ファミリマート」などで大同江ビールを購入することができ、関係者が持ち帰るなどしたものが市場で流れていたと言われる。

 そのため、過去に前例があるなら大同江ビールの輸入再開はできるのではないという声も一部にあるようだ。

 中国経由とのことだが、不思議なことにその当時、中国では大同江ビールは中朝国境や北朝鮮レストラン(以下、北レス)でも売られていなかった。中国で北レスを中心に登場するのは韓国での禁輸と入れ替わるように2013年以降となる。

日本ビール消滅から1年。大同江ビール輸入再開で文大統領支持率アップ

 韓国は2019年夏からの日本製品不買運動によって日本製ビールの輸入激減が継続されている。コンビニエンスストアやスーパーマーケットからも姿を消して早1年となる。

 韓国のビール党にも「うまいビールが飲みたい」人は少なからずいるだろう。文在寅大統領がここで大同江ビールの輸入再開を決断したら政権への支持率アップへ貢献するのではないだろうか。

 韓国では、2018年4月、韓国のコンビニで大同江ビールが買えるようにしてほしいという請願が青瓦台の国民請願サイトへ上がったくらいなので根強いニーズはありそうだ。

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