さらに、「問題は、新たに日本の自民党総裁になった菅が、安倍路線の継承を口にして安倍の垢がついた古い遺物をそのまま抱えて、軍事大国へと進む企図を露骨に表していることである」と問題視している。

 記事の最後には、「日本の新内閣が安倍一味のように大東亜共栄圏という妄想を捨てることができず無分別に振る舞うのであれば、前世紀に経験した惨敗より残酷な代価を支払うことになるだろう」と警告した。

 このように菅政権発足を歓迎する報道ではなく、むしろ警戒心を示す形となっている。
 

日朝交渉はアメリカ大統領選挙がキーに

 北朝鮮メディアの一連の報道を見ると、「対北敵対政策という安倍路線の継承は受け入れられない」という点が強調されている。

 ただし、北朝鮮は菅首相自体を直接的に批判しているわけではなく、あくまで安倍路線を継承することに対する警告である。必ずしも日朝交渉の可能性を閉ざしているわけではなく、「首相が変わったところで安倍政権と同じ方針なら対話には応じない」というメッセージと見るべきだろう。

 とは言え、北朝鮮の最大の関心は米朝対話であり、日本との交渉が二の次なことに変わりはない。現状は11月の米大統領選挙を注視していくものとみられる。

 一方で菅政権にとっても直近の課題はコロナへの対応となっているし、米大統領選挙が終わるまでは独自に日朝交渉を進める状況にもないだろう。

 日朝交渉、米朝交渉の行方は米大統領選挙の結果次第と言える。

八島 有佑

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