リサに続きシタラが22年1月5日にH1-KEYでK-POPデビュー

リサに続きシタラが22年1月5日にH1-KEYでK-POPデビュー

H1-KEYは右からシタラ、イェル、ソイ、リイナの4人グループ 出典 H1-KEY公式フェイスブックページ

リサに続きシタラが22年1月5日にH1-KEYでK-POPデビュー

 タイにおけるK-POP人気は日本同様、タイ人アーティストがK-POP界隈で活躍するからだ。

 世界的に有名な女性4人グループ「ブラックピンク」のメンバーには、タイ人女性のリサさんも所属し、タイ国内でも絶大な人気を誇る。

 実は、リサさん以前から男性ボーカルを含め複数のタイ人アーティストが、K-POP界でデビューを果たしていて、タイ人にとってK-POPは、親しみのあるエンターテインメントでもある。

 そんな中、今年11月30日には、芸能事務所グランドライングループ(GLG)が2022年1月5日にガールズグループ「H1-KEY」のデビューと、メンバーにタイ人女性アーティストのシタラさんが参加することを発表した。

 シタラさんは、173センチ・メートルの高身長で、メンバー内最年長。韓国語、英語、中国語と4か国語を操る。

所属事務所は予定通りシタラのデビューを発表

所属事務所は予定通りシタラのデビューを発表

2014年の軍事政権になる前の保守派による反政府運動

 しかし、このデビュー発表がタイに伝わると、たちまち抗議のメッセージが所属事務所の公式SNSなどにタイ人K-POPファンから投稿された。

 デビュー発表時のインタビューでシタラさんが「私のロールモデルは父」と発言したことが発端だ。

 シタラさんの父親は2020年に他界しているが、タイでは俳優や映画監督をしてきた人物とされる。

 タイ人からの抗議の内容は、シタラさんの父親が、2006年から続くタイの政情不安の中で対立構図ができあがっていた当時のタクシン首相支持派と保守派(反タクシン派)のうち、保守派の支持者だったと指摘。

 2014年には、現軍事政権の発足のきっかけでもあるクーデターをシタラさんの父親は、熱烈に支持し、かつプロパガンダとも受け取れる映画などを制作したともされる。

 そのため、一部のタイ人らがネット上で抗議を行い、シタラさんのデビューを撤回するよう要望した。

 しかし、12月8日、所属事務所のGLGが改めて立場を表明。「すでに故人となった父親の行動などを理由に、シタラに不利益を与えることはできないという結論に至りました」とし、シタラさんの責任の範疇(はんちゅう)にない事情では、デビューを取り止めることはないとした。

反政府支持者たちが過剰に反応

反政府支持者たちが過剰に反応

今の反政府運動の特徴はこれまで不人気だったツイッターを多用すること。今もシタラさんへの抗議投稿は続いており、かつH1-KEYの不買運動の呼びかけも始まっている

 タイ人によるこの抗議は、裏を返せば反政府支持者の暴走でもある。現在タイでは、若い活動家を中心に現政権へのデモ活動が活発化している最中だ。

 つまり、抗議している人々は、シタラさんの父親が支持をしていた派閥と敵対する側であるので、シタラさんの出自を知った反政府支持者たちが過剰に反応したということになる。

 タイでは、2006年から続く政情不安の中で、時折タイの政治とはまったく関係のない外国においてどちらかの派閥に影響のある事象や事件が起こると、首都バンコクにあるその国の大使館などの前でデモ行動を起こすという、ともすれば、短絡的・感情的な行動に出るケースが見られる。

 シタラさんに対する抗議もやや突っ走ってしまった感はあるだろう。

 シタラさんの父親が誰であれ、シタラさんには、なんら責任はない。所属事務所の判断は正しかったし、抗議は、決してすべてのタイ人が思っていることではない。

 あとは、楽曲とカリスマ性が見合えば、タイでも新アイドルグループH1-KEYはヒット可能性がないわけではない。

高田 胤臣(たかだ たねおみ)
タイ在住ライター。2002年から現在にいたるまでバンコクで過ごしている。『バンコクアソビ』(イースト・プレス・2018年)、『バンコク 裏の歩き方【2019-20年度版】』(彩図社、2019年・皿井タレー共書)、『ベトナム裏の歩き方』(彩図社、2019年)など、近著『亜細亜熱帯怪談』(晶文社、2019年・監修丸山ゴンザレス)。
@NatureNENEAM
在住歴20年が話したい本当のタイと見てきたこととうまい話と(note)

記事に関連のあるキーワード

おすすめの記事

こんな記事も読まれています

コメント・感想

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA