新型コロナに感染しても近所にバレない日本
「えええ?部屋から追い出されたり、近所から村八分にならないですか?」
ビジネスパートナーの中国人にオミクロン株に感染して自宅療養していることを伝えたある日本人へ仰天の反応が返ってきたという。
中国とビジネスをする40代の日本人男性は先月末、微熱や頭痛といった初期の風邪のような症状を発症し、発熱外来を受診。新型コロナウイルスの陽性となった。
オミクロン株のBA.2だろうと担当医は語るも特定まではされていない。
今の日本で新型コロナへ感染しても近所にバレることはなく、むろん、村八分になることはない。
男性が住む東京都では、すでに陽性者への対応は緩いようだ。
保健所から電話も経過確認の連絡もなく、連絡は、厚生労働省が定めた日数の自宅療養をするようにとのショートメッセージ(SMS)2通のみだったそうだ。
現在の日本政府の新型コロナへの認識を感じさせてくれる話だ。
新型コロナへ感染すると近所にバレる中国
男性はPCR検査の結果が確定した時には、すでに処方してもらった風邪薬を服用して症状は改善していた。
その話も中国在住の中国人を驚愕させたようだ。
「こちら(広東省広州)は、ロックダウンはされていませんが、1日1回のPCR検査が義務付けられて子供が通う中学校は完全リモート授業になっています。外出も控えるように言われているので、上海のようになるのが心配です」
「無症状でも感染が確認されると専用の施設へ入らなければなりません。感染者の氏名は、インターネット上で公開されませんが、近所の人ならほぼわかる情報が公開されるので、個人特定されます。新型コロナに感染すると、今の家に住めなくなるかもしれません。子供も転校しないといけないかも…」と不安を口にする。
新型コロナよりも怖いのは同胞の中国人?
日本でも新型コロナ感染拡大初期の2020年春先には、同じようなことが言われて居住地での村八分や職を失うのではなどの“変な空気”を恐れる人は多かった。
中国は、パンデミックから2年以上経った今でもそのままなのだろう。
ゼロコロナ政策を続ける中国では、新型コロナを恐れ、ロックダウンを恐れ、さらには、近所の同胞である中国人も恐れないといけないというストレスが絶えない日々を送っているようだ。
「仮に私たちが感染しても絶対に自分から感染したとは言いません。微信(ウィーチャット)にも書き込みません。それでも特定されて中国人から被害を受けると思います。そうなったら、子供の進学にも影響が出そうなのが心配です」(同)
中国在住者の悩みは尽きることがなさそうだ。