韓国では慰安婦や徴用工、輸出規制見直しなど日本に対するデモが頻発

韓国では慰安婦や徴用工、輸出規制見直しなど日本に対するデモが頻発

スモッグで霞むソウル東大門

 韓国でデモが盛んに行われていることは知られており、韓国全土でデモが起きることも珍しくない。現在、慰安婦、徴用工問題に対しての日本への反発からデモが行われている。この問題に関しては、日本の韓国統治、日韓請求権協定の解釈の違いなどがあるため、解決には時間がかかるだろう。

 また、日本製品不買運動を呼びかけるデモだけでなく、日本政府が実施した輸出管理の見直し、いわゆるホワイト国からの除外などに対するデモが行われている。

 歴史的な問題だけではなく、経済的な問題もデモの原因になっており、韓国の反日デモが終息する兆しは見えていない。反日デモを解決するためには、日韓双方が歴史を直視して、解決のための努力を行う必要がある。

BSE問題をめぐる大規模デモで李明博政権の支持率が急降下

 その一方、韓国で行われるデモは反日のデモだけではなく、韓国国内の問題に関してもデモが行われる場合がある。たとえば、2008年2月から2013年2月までの5年間の任期を満了した李明博政権時代にもデモが起きた。

 2003年に狂牛病(BSE)への懸念から、米国産牛肉の輸入を全面禁止し、その後、輸入が再開された時期があったものの2007年10月に脊椎が混入しているのが発見されたことを受け全面的に輸入が禁止されていた。その米国産牛肉について、2008年4月に輸入再開方針を決定したことで国民の反発を受ける。

 その結果、輸入反対デモが連日数万人単位で繰り広げられることとなり、李政権発足からわずか2か月で李明博政権の支持率は一時期10パーセント台まで急落する要因となった。

デモは韓国人にとって主張する手段であり民主主義の根幹

デモは韓国人にとって主張する手段であり民主主義の根幹

デモを行う人々 出典『韓国日報

デモは韓国人にとって主張する手段であり民主主義の根幹

 また、李明博政権の後に政権を引き継いだ朴槿恵政権下ではこれまでのデモの中でも最大規模のデモが展開された。このデモの要因は、朴槿恵大統領の親友とされる女性実業家の崔順実容疑者が国政に介入している疑惑を受けてのものだ。2016年11月12日には、朴槿恵大統領の退陣を求める50万人(主催者発表)を超えるデモが開催された他、その後も大規模デモが数多く開催されている。

 結果として、朴槿恵大統領は2016年12月9日に弾劾訴追され、任期途中で大統領の職を失職することになった。

 現在、反日デモが盛り上がっている韓国では、日韓が軍事機密を共有するための協定である「軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」の破棄などを受けて文在寅政権への批判集会が行われている。韓国人にとってデモは国民が意見を主張する場であり、民主主義の根っこそのものだと考える人が多い。そのため影響力は大きい。

 フランス人はデモが趣味と揶揄されるほどデモ好きな国民性だが、連日のように発生が伝えられる香港のデモなどと同様に今後の韓国情勢を見極めるうえで、韓国でのデモがどのように行われていくのかも注視するべきだろう。

千歳 悠
4年ほど活動しているフリーライター。金融、IT、国際情勢など日々情報を追いかけている。趣味は読書と動画視聴。
@chitose_haruka

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