マイケル・スパバ氏スパイ罪拘束から11か月。北大教授は釈放

マイケル・スパバ氏スパイ罪拘束から11か月。北大教授は釈放

マイケル・スパバ氏が拠点としていた延吉がある吉林省最大のターミナル駅「長春駅」

 昨年、12月、北朝鮮に関わる事業を展開していたカナダ人のマイケル・スパバ氏が中国の丹東で拘束され今年5月にスパイ容疑で逮捕と発表されるもそれ以降、情報がない。スパバ氏が拘束されてすでに11か月が経過している。

 10月18日、北海道大学で教授を務める40代の日本人男性が9月から北京で拘束されていることが明らかになった。中国外務省報道官は、スパイ容疑で拘束したことを認め、11月15日に解放され無事に帰国することができた。この教授は、北京の中国政府系シンクタンク「中国社会科学院」から招待されて訪中して、同院が手配したホテルで拘束されたという驚くべき事実も明らかにされている。

18年以降、日本人スパイ罪拘束がペースダウン

 これで2014年11月に最高刑死刑の反スパイ防止法が施行されてからスパイ容疑、罪で拘束、逮捕された日本人は14人となり、すでに9人起訴、8人が有罪となっている(温泉掘削にかかわった調査員4人と15日に帰国した北大教授の計5人は釈放)。

 2015年から17年にかけては相次いでスパイ罪で拘束されたが、2018年は1人、そして、19年は1人と大幅にペースダウンしている。

 スパイ罪での拘束が減った理由は、2018年が日中平和友好条約締結40周年の年で日中関係が改善したからとの見方もあるが、現実的には、米中貿易摩擦による中国政府の対日政策変更によるところが大きいと考えられる。

 米中対立が終結するまで、日本へ融和的な態度を示すことで日本がこれ以上アメリカ側へ接近しないように、できれば、中国側に寄ってほしいという思惑も透けて見える。

 今回の北大教授釈放も来年春に予定されている習近平国家主席の国賓来日前に波風を立てたくない中国政府の意向が働いているのだろう。

中国最高指導者の裁量で決まるスパイの定義

 そんな状況下もありスパイ容疑での日本人拘束者は減り、当初は20年以上の実刑と予想されていた判決も5年や12年と短くなったことへ反映していると考えられている。それでもとてつもなく長い刑期だ。そもそもスパイ罪の定義らしい定義は不明確で、そのときの最高指導者の一方的な裁量と内政、外交状況でスパイの定義が決められるため一体、何の罪かまるで分からないという恐ろしいものだ。

 2017年6月13日の『日本経済新聞』は、スパイ容疑、罪での拘束者も含めて拘束されている日本人は78人いる(中国で「スパイ行為」 拘束相次ぎ注意呼びかけ)と報じている。現在もこの人数以上の日本人が長期拘束されているとみられる。
 
 スパイ罪以外だと、麻薬関連や殺人などの重犯罪、悪質だと判断されたオーバーステイ、脱税、賭博などの理由で勾留されている。この中でも麻薬の売人、運搬などで麻薬拡散に関わったとされる罪が特に重い。

(続く)

参考サイト
中国で次々に捕まる日本人、日中関係正常化は幻想だ

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